ユリアーレ転生物語 (ページ24)

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第七話ノアのルームメイト捜しページ24

ゆえに、魔法薬とはこの国の産業として発展し、ユリアーレ各国で大きな価値を持っている。ちなみに魔法薬学はテネーブルの家でずっと勉強してきたことだから、私は大の得意と言える。
次に『ユリアーレ史』。これはユリアーレの歴史と、時代時代の魔法や大魔術師について学ぶ授業だ。
教師はライラ･スワロフスキー先生。後ろできっちりと纏めた髪にツバの広い三角帽子、臙脂(えんじ)色のローブドレスが特徴の、オーソドックスで厳格な、壮年の魔女だ。ただし皇宮魔術師の旦那の愚痴を語り始めると止まらない特徴もある。
｢ユリアーレとは、十柱の神がお創りになった “絆” の世界でございますわ。この神々を〈原始の魔法使い〉と呼ぶこともあるのです｣
歴史の授業の最初は、何事も神話から始まる。この授業にはユリアーレの創世神話学、リシユル宗教学も含まれている。
主に室内で机について先生の講義を聞き、人名やら歴史的事件の名称などをひたすら覚える授業であるため、眠たそうにしている生徒は多い。
最後に『魔法体育』の授業では、主に体を動かし基礎体力をつけ、体術、剣術、転移魔法、浮遊魔法、飛行術などを学ぶ。
またメジャーな魔法道具の扱いもこの授業で学び、そのうちに魔法や魔法道具を駆使した校外実習や模擬戦闘、決闘会なども行うらしい。将来魔法兵や魔法騎士を目指している者は、この授業の成績が重視されると聞いたことがある。
｢魔術師は引きこもりで陰湿な職業と思われがちだが、今は動ける魔術師が多く求められている時代だ。この『魔法体育』の授業で成績A以上を取れなかった生徒は、魔法兵や魔法騎士への推薦はないものと思え！｣
教師はエレノア･ペレーブル先生。オーソドックスな魔術師が多い中、紺色のジャージ姿とサングラスが目立つ女性教師で、言葉遣いも荒々しくとにかくスパルタ。よく指導の方向性でスワロフスキー先生と揉めているが、彼女がこの学校へ赴任したことで体力をしっかり養った卒業生が増えたという実績もある。
このように、個性的な教師陣に見守られ、私達は今日も学業に励んでいる。

｢一年生の諸君。そろそろ学校の授業には慣れてきたかな？ああ、前の授業が魔法体育？どうりで皆ぐったりしてるわけだ～｣
ある日の魔法薬学の授業にて、イラムール先生はぐったりとしている生徒達を見てニヤニヤしていた。基礎体力作りで島中を走らされたばかりだからね。
あまり体力作りをしてこなかった生徒達はしんどそう。