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絶句した後に私はぶんぶんと思い切り首を横に振って、ついでに手も振って必死に否定した。


「ないない、それはないですよ!寧ろ何でそう思ったんですか」

「何かよく二人で出掛けてるの見ますし、こう、お互いを見る眼差しが慈愛に満ちているというか」

「慈愛!?」


沖田隊長に、「慈愛」!?何それ似合わなさすぎない!?変だよその単語は隊長に使うべき単語じゃないって!っつーか「お互い」ってドユコトよ!


大混乱を極める私を見ながら、「違うんだー」と心底意外そうに言う東堂さん。この人の目は大丈夫だろうか。眼科紹介するべきか?


「私みたいな乱暴女、隊長が相手にするわけないですよ。隊長には、もっと穏やかで、海のように広い心を持った穏やかな子が合う訳で……私なんかじゃ、申し訳ないっていうか」

「そんなことないでしょう。Aさん美人だし、全然乱暴じゃないし。お似合いですよ」

「やっだなー、そもそもあんなドS男は私もムリですって」


ずきん、と胸が痛んだ気がしたが、私はすぐにそれを打ち消した。ひらひら手を振って苦笑する私に東堂さんは納得がいかないような顔をしていたが、ふと、前に視線を向けると足を止めた。


「?東堂さ――」

「しっ」


少し鋭く言葉を止められ、私は反射で口をつぐんだ。東堂さんからは先程の柔和な空気が消え去り、代わりにピリピリとした緊張感を纏っている。一体どうしたというのだろう。何だか不安になり、じっと顔を見つめていると、彼は小声で口を開いた。


「Aさん。俺が合図したら後ろに走って下さい」

「え……」

「いいですか。――今!」


小声で、しかし強く合図され、私は慌てて言われた通りに踵を返して走り出した。するとバタバタと足音がして、後ろから「追え!」と複数の人間の声がした。ぎょっとして振り返ると、どこから沸いて出てきたのだろうか、6人の刀を持った男達が追いかけてきている。


「攘夷志士!?」


ざあっと血の気が引くと、「こっちです!」と東堂さんに示されて路地へと飛び込む。二人三人が通るのでやっとの路地は、多少は追手の足止めにはなりそうだ。


何で今こいつらが出てくるの!?


つい先月辺りにも攘夷志士に追われた身としては、もう堪ったものではない。本気で江戸中の志士に狙われているのだと改めて実感し、ぞっとする。


――怖い。


以前追われた時以上の焦燥と恐怖が、全身を支配した。

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2019年4月23日 11時

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