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最終的に病人を殺せず、脱け殻のようになった八重は優しい老夫婦の元で店を手伝い、穏やかな日々を送る、という感じで物語は終了。良かったような切ないような複雑な気持ちで余韻に浸っていると、スゥーッと突然静かに襖が開いて思い切りびくついた。
「うぉっ……て、え、沖田隊長!?」
「なんでィその色気のねェ声」
何故か見回りに行っていた筈の問題児が私を見下ろしている。あと色気無い言うな。普通驚いて「きゃあ」とか声出す女子いないから。いない筈……だ。多分。
しかし多少ムッとしたので、ジト目で隊長を見上げる。彼の登場には動揺したものの、失礼なことを言われたせいか一気に冷めた。
「隊長こそ何でここいるんですか、サボりですか、サボりですね」
「お前は籠って読書かィ。辛気くせェな、せめてジャンプ読めよ」
「ジャンプは嵩張るので買ってません」
読んでいた内容がアレなので、本をそそくさと隠そうとしてみる。ただでさえ辛気くさいとか言われたのに、内容がバレたら余計何か言われそうだ。
しかしドS王子がそんな挙動を見逃す筈もなく、赤い瞳を一瞬光らせたかと思うや否や、ゲスい笑顔で瞬時に本を掴んできた。
「何隠そうとしてんでィ。いかがわしいモンなのかィ？」
「んなわけ無いでしょ、アホか！つか本が痛むから離して下さい！」
「やなこった」
「小学生かよ！」
ギリギリギリギリ、と本の両端を引っ張り合うも、元々男女の力の差は歴然な上に私は座っていて相手は立っている。程なくして本は隊長に取り上げられてしまった。
ちら、と題名とあらすじを一瞥した隊長は数秒黙り、そして哀れむような目を向けた。
「A……お前……」
「うううううるさーい!!何読もうが私の勝手じゃないですか！面白いからいいの！」
「何も言ってねェだろィ」
「目が全てを語ってんじゃないですか！」
とにかくその目をやめぃ！と抗議する前に隊長が本をこちらに放ってきたので慌てて受け止める。大事に扱えよコラ。
「そいつはどうでもいいからちょっと面貸せ」
「何でヤンキー風なんですか……」
意味分からんと思いつつも、暇なので部屋を出ていく隊長の後をついていく。外は既に真っ暗で、チラチラと星が瞬いていた。
隊長は何故か屯所の外に向かっているようだった。
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霜夜華(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！受験お疲れ様です(^o^)頑張ります！ (2019年2月17日 18時) (
レス) id: 64f91c64f2 (このIDを非表示/違反報告)
りん - お久しぶりです！受験でしばらく来れてなかったんですけど更新されてて…凄く嬉しいです！！読んでて進展しててドキドキしました！これからも応援しています。 (2019年2月17日 14時) (レス) id: 0f485d2f15 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - 内田さん» おおお勢いのあるコメントありがとうございます！(*´∀｀)頑張ります！ (2019年1月18日 10時) (レス) id: af44df98e2 (このIDを非表示/違反報告)
内田(プロフ) - すごく好きです！！！！更新頑張ってください！！ (2019年1月16日 18時) (レス) id: 2320622f76 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - かぼちゃんさん» ありがとうございます！のろのろ更新ですが頑張ります！ (2018年9月23日 20時) (レス) id: 64f91c64f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜夜華
| 作成日時：2018年1月8日 10時
