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「お、沖田隊長……。

!?」


振り返ったのとほぼ同時に、がしっ、と隊長は私の両肩を掴んだ。


「怪我はねェか?何もされてねェか?」

「え、あ、はい。大丈夫です」


珍しく必死な様子に面食らいながら頷くと、隊長は分かりやすくホッとした顔をした。


そういえば、私が攘夷志士に襲われた時もあんな顔してたっけ。

……やっぱり、優しいなぁ。


ほわっ、と胸の内に温もりが広がるのを感じると同時に、何故か隊長の顔を見るのが少し照れ臭くなって、私は頭を下げた。


「心配かけてすみませんでした」


隊長はそれを聞くと、「手間かけさせるねィ」といつも通りの調子になって、後ろの隊士たちを振り返った。


「お前らは桂探せ。まだそんな遠くに行っちゃいねェ筈だからな。俺はこいつ屯所に連れて帰らァ」

「「「「はいっ」」」」


指示を受けた隊士たちが路地の奥へ走って行くのを見送りながら、そういえばと隊長を振り返る。


「山崎さんはどうしたんですか?」

「お前を守れなかったから、【ピー】して【ズドーン】した」


………。聞かなきゃよかった。


げんなりしながら、今頃泡を吹いて倒れているでいるであろう山崎さんに思いを馳せる。あの人こそ今日は相当なとばっちりを受けたんじゃないかな。

いて座かどうかは知らないけど。


「言っときますけど、山崎さんは隊長が撃ったバズーカに巻き込まれたんですからね?あの人悪くないですからね?」

「山崎だからいいんでィ」

「いやどこが」


はぁ、と溜息を吐きながら、いつの間にか傾き始めた太陽によって作られた、少し伸びた建物の陰を見つめる。


江戸から立ち去った方がいい、か……。


それは何となく正しい言葉のような気がした。

もし桂の言う通り、多くの攘夷志士が私を狙ってくる可能性があるなら、私は真選組に利益より不利益しか持たらさないだろう。


でも、真選組から離れるというのはやはり抵抗がある。

それは多分、真選組で役に立つことが私の生きる理由だというのもあるのだろうけれど。


ちら、と私は隣を歩く隊長を見上げた。


…多分、隊長と一緒に新しい生き方を見つけるというのに、少なからず期待や希望を感じているからなんだろうな。


でも、それでも私がいることが負担にしかならなくなってしまうのだとしたら、それは捨てざるを得ないんだろう。


重いしこりのようなものが生まれるのを感じ、小さく溜息を吐いた時。


――不意に、するりと右手を何かが包んだ。


……え?

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霜夜華(プロフ) - りんさん» ありがとうございます!受験お疲れ様です(^o^)頑張ります! (2019年2月17日 18時) (レス) id: 64f91c64f2 (このIDを非表示/違反報告)
りん - お久しぶりです!受験でしばらく来れてなかったんですけど更新されてて…凄く嬉しいです!!読んでて進展しててドキドキしました!これからも応援しています。 (2019年2月17日 14時) (レス) id: 0f485d2f15 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - 内田さん» おおお勢いのあるコメントありがとうございます!(*´∀`)頑張ります! (2019年1月18日 10時) (レス) id: af44df98e2 (このIDを非表示/違反報告)
内田(プロフ) - すごく好きです!!!!更新頑張ってください!! (2019年1月16日 18時) (レス) id: 2320622f76 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - かぼちゃんさん» ありがとうございます!のろのろ更新ですが頑張ります! (2018年9月23日 20時) (レス) id: 64f91c64f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2018年1月8日 10時

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