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桂は私を見つめ、そして口を開いた。
「真選組の専属医師は、圧倒的な回復力を持ち、血はあらゆる傷を癒やす力を持つという天人と人間の混血であり、その力を使って、真選組隊士を助けている……と、そう聞いている。
君がいる限り、真選組を倒すのは難しいとも」
「……それは、どこからの情報なんですか」
流石にこれには答えてくれないかもしれない。
そう思いつつ、声に力が入りそうなのを押さえながら訪ねると、桂は緩く首を横に振って答えてくれた。
「攘夷志士たちの間で広まっている噂だ。真実かどうかも定かではないし、どこ、というのは分からん」
「…そう、ですか」
その返答に私は少なからず落胆した。
折角何か分かるかもと思ったんだけどな……。まぁ、人目で私が誰か分からなかったこいつに期待したのが、そもそもどうかと思うけど。
視線を落としていると、それより、と桂がまっすぐ私を見た。
「そのようなことを聞いてくるということは、この噂は本当だと思っていいのか？」
「それはご想像にお任せしますが……仮にそうだとしたら、どうするんですか。
…殺しますか？」
なるべく冷静を装いながら尋ねると、桂はふっと笑った。
「そんなことはせん。…君には、あいつが世話になっているからな」
「え？」
後半は口の中で呟くような小ささだったので、何て言ったのかは聞き取れなかった。だが桂は答えず、続ける。
「話が真実かそうでないかは分からないが、ひとつ忠告しておく。
この話を信じて君を襲いにかかる攘夷志士は、恐らく多くいるだろう。早めに江戸を立ち去ることを勧める」
「……」
咄嗟に何を返せばいいのか分からずに黙っていると。
「A！どこだ！」
沖田隊長の声と、何人かの靴音がした。それに反応した桂は、素早くエリザベスさんに目配せして背を向ける。
「ではな。忠告はしたぞ」
『さようなら』
「あ……」
あっという間に背を向けて走り去ってしまった二人のいた方を見つめる。
噂は、攘夷志士中に知られている。
多くの攘夷志士が、私を狙うかもしれない。
不穏すぎる情報に、心なしか薄暗い路地裏がより暗く見えた。
――だとしたら。
「…私がいたら、真選組に余計な負担がかかる……？」
ぽつり、と小さく呟いた時。
「A!!」
後ろから少し息を切らした沖田隊長の大きな声がして、少しびくりと体が震えた。
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霜夜華(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！受験お疲れ様です(^o^)頑張ります！ (2019年2月17日 18時) (
レス) id: 64f91c64f2 (このIDを非表示/違反報告)
りん - お久しぶりです！受験でしばらく来れてなかったんですけど更新されてて…凄く嬉しいです！！読んでて進展しててドキドキしました！これからも応援しています。 (2019年2月17日 14時) (レス) id: 0f485d2f15 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - 内田さん» おおお勢いのあるコメントありがとうございます！(*´∀｀)頑張ります！ (2019年1月18日 10時) (レス) id: af44df98e2 (このIDを非表示/違反報告)
内田(プロフ) - すごく好きです！！！！更新頑張ってください！！ (2019年1月16日 18時) (レス) id: 2320622f76 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - かぼちゃんさん» ありがとうございます！のろのろ更新ですが頑張ります！ (2018年9月23日 20時) (レス) id: 64f91c64f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜夜華
| 作成日時：2018年1月8日 10時
