真選組専属医師の悩み 4【沖田総悟】

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戦車かター○ネーターを思わせる勢いで追ってくる沖田隊長。


あれ、おかしいな。味方の筈なんだけど、ものすごい逃げ出したくなってきた。

桂にもっと早く走れって言いたくなってきたんだけど、何で？


…とか思っていたら。


「A……。

君はまさか、真選組専属医師の、霧神Aか!?」

「本当に気づいてなかったんですね!?」


走りながら桂が驚きの声を上げると、エリザベスさんも『本物？』とプレートを出す。いや、だからそれどこから出してるんだ。


「では、君が例の半天人(・・・・・)なのか……」

「！」


信じられないとでも言うかのような声音で言われた台詞に目を見張る。


まさか、桂も……!?


てっきり私のことを知っているのは、あの時遭遇した攘夷志士たちだけかと思っていただけに衝撃だった。

こいつもそれを知っている。それはつまり、江戸の攘夷志士たちの間に私のことが知られている、ということと同義なんじゃないのだろうか。


とんでもない予想に血の気が引いていく。でも、だとしたらこれはある意味チャンスだ。

危険ではあるけれど、一体誰がその情報を流したのか、こいつなら知っているかもしれないから。


私は脇の下に抱えられたまま、桂を振り仰いだ。



「っその話、ちょっと詳しく聞かせて下さい！」



＊＊＊



「逃げの小太郎」という名に違わず、桂は沖田隊長たちを撒くと、入った路地裏で私を下ろした。


「手荒な真似をしてすまなかったな」

「いえ。それより、さっきの……私が半天人という話なんですが。

それは、どういう話なんですか？」


慎重に言葉を選びながら尋ねる。

私はまだこいつを信用した訳じゃない。攘夷志士である以上、こいつは真選組の敵だ。どんな目に遭わされるか分かったものじゃないし、私が真選組の人間とバレたのだから人質にされたっておかしくない。

でも、この機会を逃したら多分もう真相は分からない気がした。


…沖田隊長には、怒られそうだけど。

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