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ヤバいヤバいマジでちょっと本当ヤバい。
著しい語彙力の低下を感じながら、私は必死に頭を回転させる。
何とか誤魔化さないと……!
「ききき気のせいですよ〜。初対面です」
「そうか?だが、どこかで見たことがある気がするのだが……」
「だ、だとしても、多分見かけた程度なんじゃないですかね、ハイ。」
あははは〜、とぎこちなさすぎる笑い声も上げてみたりしてみる。いや、嘘は吐いてないからな、嘘は!
だが如何に本当のことを言っているとはいえども、どう考えても挙動不審になっているので、説得力なんて皆無なのは明白だった。
実際こいつめっちゃ私の顔ガン見してきてるし。穴が空きそうだし冷や汗ヤバいから止めてほしい。見るならそこのエリザベスさん見て。
っていうかお願い早く戻ってきて山崎さん。トイレ長すぎだからいくら何でも。まさか寝てるの?それはないよね??
もうここまで来たら何でもいい、真選組の誰か来ないかな、なんて思ったと同時。
「Aちゃん、お待たせ〜」
「!」
ほのぼのとした山崎さんの声が店の中からした。
や、やっと戻ってきた……。
どっと疲れを感じながらも、かなりホッとして山崎さんを振り返る。
取り敢えず、これでもう大丈夫だろう。桂だって、日中にこんな通りで真選組とは戦わない筈だ。…多分。
「お帰りなさい、山崎さ――」
「かァつらァァァアア!!!」
……ん?
不意に通りの左手から聞こえた、覚えのある声とヒュルルルという不思議な音にピシリと固まる。
今の声って……。
「ごめん、遅くなっ……」
と、山崎さんが暖簾をくぐって出て来ようとした時。
ドッゴォォォォオオオン!!!!!
「わぁぁああ!!?」
これまで何度も何度も聞いてきた轟音と共に店の入り口にバズーカが着弾し、爆風と煙に席ごと軽く吹っ飛ばされ、私は地面に転がった。
……って、言うか。
「や、山崎さぁぁぁああん!!!」
今超近かったよね!?山崎さんに!!
大丈夫?!!死んでないよね!!!?
安否を確認しようとすると、再び某サド野郎の「桂ァァァアア」という怒声が。
いや桂も大事だけど!味方吹っ飛ばしてるんですけど沖田隊長ォォ!!
それと何また店壊してんの!!?市民にとって危険な警察とかマジ笑えんわ!!!
……その時。
私は誰かにガシリと右の手首を掴まれ、強く引っ張られた。
「行くぞ!」
「…へ?」
間抜けた声を出した瞬間、何故か私は引き摺られるように走り出していた。
……桂によって。
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霜夜華(プロフ) - りんさん» ありがとうございます!受験お疲れ様です(^o^)頑張ります! (2019年2月17日 18時) (レス) id: 64f91c64f2 (このIDを非表示/違反報告)
りん - お久しぶりです!受験でしばらく来れてなかったんですけど更新されてて…凄く嬉しいです!!読んでて進展しててドキドキしました!これからも応援しています。 (2019年2月17日 14時) (レス) id: 0f485d2f15 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - 内田さん» おおお勢いのあるコメントありがとうございます!(*´∀`)頑張ります! (2019年1月18日 10時) (レス) id: af44df98e2 (このIDを非表示/違反報告)
内田(プロフ) - すごく好きです!!!!更新頑張ってください!! (2019年1月16日 18時) (レス) id: 2320622f76 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - かぼちゃんさん» ありがとうございます!のろのろ更新ですが頑張ります! (2018年9月23日 20時) (レス) id: 64f91c64f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜夜華 | 作成日時:2018年1月8日 10時