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騒ぐ隊士たちの相手も面倒になり、屯所から逃げ出した私は、あても無くぶらぶらと街を歩いた。

だがそれも何だかつまらなくなってきて、何となく近くの公園のベンチに腰かけた。


「何で、こんな事になっちゃったんだろ……」


そしてどうして私はこんなにも、あいつに距離を取られたくないと思ってしまうんだろう。


「はぁ……。わっけ分かんない……」

「A?」


聞き慣れた声に目を向けると、定春くんを連れた神楽ちゃんが、傘をさして首を傾げていた。


「神楽ちゃん……」

「でっかい溜息だナ。どうかしたアルか?」


ストンと隣に腰かけた彼女は、空を閉じ込めたような瞳に私を映す。それがとても真っ直ぐで、今抱えている私のどうしようもない悩みを思うと、あまり直視できなかった。


「あー……。うん、まぁ……」

「またクソサド絡みアルか?」


煮え切らない返事でうやむやにしようとした目論見は、鋭い指摘によってあっさり打ち砕かれた。


この子は結構察しがいい所があるから、結構侮れないよなぁ。


観念して、私は小さく頷いた。


「うん。けど、今回は私が悪いんだ……」

「そんなことある訳ないネ。十中八九クソサドが悪いに決まってるヨ」

「いや、今回はマジで私が悪いんだよ」


神楽ちゃんの信頼が純粋なだけに、かなりグサッと心に刺さった。信頼を裏切ってごめんなさい本当。


「とにかくね、それで今沖田隊長に距離取られちゃって、すごい気まずくなってて……。それで落ち込んでた」

「何で落ち込むアル?あんな奴とは関わらない方が清々するに決まってるネ」

「その筈なんだけどねぇ……。何か、あそこまで関わられないと、すごくつまらないというか、寂しい、というか……。おかしいとは思うんだけど」


溜息混じりにぼやくと、神楽ちゃんはポンポンと私の背を叩き、まるで泣いているかのように目元を指で拭ってみせた。


「A、疲れてるアルな……。可哀想に。きっとあんなごみ溜まりで暮らしてるから感覚がおかしくなってるに違いないアル」

「そうなのかなぁ……」


何か違う気もするんだけどな。疲れてるせいなのか?


内心首を傾げていると、神楽ちゃんはぐっと拳を握り締めた。


「そういう時は、新八を殴るといいアル!きっとスカッとするネ!」

「待って神楽ちゃん、新八君サンドバッグ扱いするのやめたげて」


新八君の扱いの雑さがヤバイ、と改めて実感した。

今度会ったら慰めてあげよう。……覚えてれば。

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伽那 - 一言で言うとこれめっちゃ好き (2019年11月26日 22時) (レス) id: dad38348f0 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - 沖田総悟さん» ありがとうございます!!もう!受験早く終われ!!!(泣)じわじわ更新ですが頑張ります! (2018年1月5日 8時) (レス) id: 3282eb2821 (このIDを非表示/違反報告)
沖田総悟 - とっても面白かったです!!キュンキュンもするし、見ながら泣きました‥。更新がんばってください!そして、受験ガンバってくださいね!!応援してます!! (2018年1月4日 19時) (レス) id: b86e1fcd7d (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - にんじん  さん» あぁありがとうございます!!(泣)あと9日なんですよねー……ハハ。頑張ります! (2018年1月4日 14時) (レス) id: e79ecf6629 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん   - 受験頑張ってください!応援してます! (2018年1月4日 14時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年9月29日 20時

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