真選組専属医師の悩み３【沖田総悟】

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「けど、私の気持ちに関しては今解決しましたけど、一番の『どうしたら元の関係に戻れるか』っていうのがまだ……」

「あー、それだが、具体的にどんなもめ事起こしたんだ？」


銀さんの質問に、「う」と一瞬詰まる。私の事を隠した上で、一体どう説明したものか。

だが言わない訳にも行かないので、考え考え、ゆっくりと私は口を開いた。


「その、何か沖田隊長が私の事知りたい、って前に言ってて。私もちょっと人に言えないような事あるんで……。

で、揉める前に沖田隊長が私から距離取り始めて、理由を聞いたら――……」



『俺とは一番距離が近いとか言っておいて、全然近くなんかねェ』

『隠してばっかりのくせに、何が距離取るな、でィ。

ふざけんじゃねェよ』



今でも鮮明に蘇るその言葉を俯いて言うと、銀さんは「あー……」と呟いた。


「お前確かに、ちょっと人に踏み込まれないようにしてる所あるもんな。近すぎず遠すぎず、踏み込まず踏み込まれず、的な」


ずっぱり核心を衝かれ、ぐぅの音も出ない。これもしかして、他の人も分かってるのかな。


ちょっと不安になっていると、「でまぁ、次の日に沖田君は謝ってきたんだよな？」と銀さんは確認した。


「はい。けど、やっぱりすごいぎくしゃくしちゃって。お互い遠慮してるというか、何と言うか」

「あの沖田君が遠慮ねェ。ちょっと想像つかねーけど」


ワサワサと頭を掻いて、銀さんは少し黙った。


「……ちなみにAは勿論、沖田君がそう言ってきた理由は分かんねーんだよ『全く』即答かよ」

「やっぱり今でも、人が何隠してようがそんなの勝手だろ、って思いますから。

でも元の関係に戻るには、やっぱり距離取ってたの謝らないといけないとは思うし、悪かったとも思ってるんですけど、そうなると言えない事も言わないとなんで……」

「まァな。といっても沖田君が『もう聞かない』って言った以上いきなり言うのも、今更って気もするけどな」

「ですよね……」


うーん、とうなる銀さんも、やっぱり良い案は浮かばないらしい。そりゃそうだ。どう考えても無茶苦茶な相談なんだから。

今更だけど、何か申し訳なくなってきたな。


「……沖田君がとっとと言えばなァ……」

「？」


……何かさっきから意味深な事ばっかり言ってるが、さっぱり意味が分からない。

だが意外とこういうのが重要なポイントだったりするのだと、後から気付いたりするのだが、この時の私はそれを想像だにしないのだった。

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