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――そして話は冒頭に戻る。
「近藤さんも無茶言うよね……。全員分って何人いると思ってんの!?」
「文句言ってねェでさっさとしろィ雌豚」
「貴方のにだけ納豆大量にぶちこみましょうか?」
「何処ぞのドMかお前」
私は当然のように壁に凭れる沖田隊長を睨み付ける。
「大体何でここにいるんですか。邪魔ですから向こうで待ってて下さい」
「何言ってんでィ、雌豚がちゃんとした料理作るか見張ってんじゃねェか」
「納豆だけじゃなく辛子も大量に入れましょうかクソサド」
言い返してから鍋に刻んだ薬草を投入。爽やかな香りが一気に広がる。
「ヘェ、結構まともじゃねェか」
「そりゃどうも。だから早く出て下さい邪魔」
「知るかよ」
そう言って、彼は私の真後ろに立ってきた。
何でわざわざ邪魔してくるのコイツはッ……!!
「いい加減に…って……」
文句を言おうと振り返り、私は目を丸くした。
「――何拗ねてるんですか?」
「別に」
いや別にじゃないだろ、めっちゃ拗ねた顔してんじゃん。どう見ても隠す気ゼロじゃん。なんかウザイし腹立つわ。
「何ですか、何をしてほしいんですか。心配しなくても納豆なんか突っ込みませんよ」
「入れたら殺す」
「冗談に聞こえないからやめてくれません!?
ほら、どうぞ!!」
皿によそった料理を差し出すと、沖田隊長は訝しげに私を見る。
「貴方のだけ違う料理なんです。わざわざ他の人とは別に作ったんですから感謝しろ下さい」
「これ……」
沖田隊長は料理を見て目を丸くする。
「最近何か荒れてるでしょう。ストレス溜めてるんだか知りませんけど、八つ当たりも程々にして下さい」
副長の暗殺未遂がやたら増えてるのも考えれば、そのくらいは分かる。
なので、他の隊士のは大量生産出来るスープだが、沖田隊長のはストレス解消効果のある薬草を使った別料理にした。
結構時間がかかったし面倒だったが、一応医者なので隊士の乱心を放っておく訳にも行くまい。
これでマシになってくれるかどうかは知らないけど、やらないよりはやった方が良いしね。
「…肉が少ねェ」
「黙れクサヤ入れるぞ」
マジで腹立つなコイツ!!せめて感謝くらいしろよ!!
(…ありゃ照れ隠しだな)
(総悟の奴、あの調子じゃ一生あのまんまだぞ?ところでトシ、クサヤって何だ?)
(超絶臭ェ保存食だろ)
台所をそっと伺う局長と副長が、揃って溜め息を吐いていたそうな。
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茸筍 - でも、カッコいいわ (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
茸筍 - 吉沢亮に血染めの犬の餌投げつけるかw w w (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - さわさん» そこまで喜んでいただけて嬉しいです!(*^▽^*)続編も頑張ります!! (2017年5月29日 22時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
さわ - やったァァァァァ!!w続編なんてすっっっごく嬉しいです(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!楽しみに更新待ってますね!(*´ω`*) (2017年5月29日 22時) (レス) id: e6f444c96b (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - mokamoiさん» い、いちばんですか!?(゜ロ゜;ノ)ノそんな、とても恐れ多い誉め言葉を頂けるなんて光栄です・・・!ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月29日 5時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年5月12日 2時