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神楽ちゃんと少しあちこち歩き回って屯所に戻って来ると、中は少しバタバタしていた。


何かあったのかな。


不思議に思いつつ上がろうとすると、


「沖田隊長は何処だ!?」

「連絡が……」


……え?


嫌な予感がした。慌てて周囲を見回すと、何やら急ぎ足の山崎さんを見付けた。


「山崎さん!」

「あ、Aちゃん。お帰り」


ただいまとも返さず、私は山崎さんに詰め寄る。


「何かあったんですか?沖田隊長とかに何か……」

「あ、うん。見回りから帰ってこないんだ。こんなに遅くなる事、今まで一度も無かったんだけど」


さぁっ、と一気に血の気が引いた。

脳裏に浮かぶのは、うずくまる沖田隊長の姿。


…不味い。


私が沖田隊長に会ったのがお昼過ぎで、今は夕方。かれこれ数時間は経っている。


死亡フラグ立ってるじゃないの……!!


私は薬草の入った袋を投げ捨てて外に走り出した。


「Aちゃん!?って、速っ……」


夕暮れが照らす町を駆け、私は沖田隊長と最後に会った場所に辿り着いた。

そこには、誰もいない。


私はすぐ目の前のお店のおじさんに駆け寄る。


「あの、すみません。ここに倒れてた真選組の隊士がどこに行ったか知りませんか?」

「ああ、あの兄ちゃんかい?何か男共に連れてかれてたよ」

「!」


どっ、と冷や汗が流れ始める。


「どんな人達でしたか?」

「普通の人達だよ。傘被ってたけど。病院に連れていくって行ってたねぇ」


いやいやいや、どう考えても怪しすぎじゃん!傘被ってる時点でもう怪しさ全開でしょ!?

何で気付かないの!?

いや、原因私だから責める資格とか無いんだけど!


「どの方向に行ったかは……」

「あっちの方だよ」


私はお礼を言い、おじさんが示した方向へ走り出した。

胸に渦巻くのは後悔一色だった。


私の馬鹿!あんな場所蹴ったせいで沖田隊長が……!


おじさんが示した方向は人通りの少ない入り組んだ路地裏に続いている。大方、攘夷志士にでも拐われたに違いない。

路地裏に駆け込み、周囲を見回しながら足を進める。

人の気配がまるで無い薄暗い空間はうすら寒い空気に満ちていて、前に進むことを少し躊躇わせるくらいに閑散としていた。


――その時、チャキ、と背後で冷たい金属音がした。


「動くな」


低い声に動きを止める。

刀を首に突きつけられていた。


「貴様、何者だ。この場所が何だか分かっているのか」


うなじに刃の先端が食い込んだ。

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茸筍 - でも、カッコいいわ (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
茸筍 - 吉沢亮に血染めの犬の餌投げつけるかw w w (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - さわさん» そこまで喜んでいただけて嬉しいです!(*^▽^*)続編も頑張ります!! (2017年5月29日 22時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
さわ - やったァァァァァ!!w続編なんてすっっっごく嬉しいです(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!楽しみに更新待ってますね!(*´ω`*) (2017年5月29日 22時) (レス) id: e6f444c96b (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - mokamoiさん» い、いちばんですか!?(゜ロ゜;ノ)ノそんな、とても恐れ多い誉め言葉を頂けるなんて光栄です・・・!ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月29日 5時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年5月12日 2時

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