恋しませんか？ (ページ5)

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時計を見ると、20時過ぎ。

JK「よしっ。」

あの日着ていたパーカーを着て、玄関にある傘を持つ。

JN「お？ジョングガ、ヌナに会いに行くのかぁ？」

JK「ヒョンうるさい。」

あの日帰ってから、ジミニヒョンがいいだけみんなに言いふらして、"傘を貸してくれた美人なヌナ"はメンバーに知れ渡った。

それから冷やかされまくって、一週間。

練習が早く終わった今日、返しに行くと決めた。

JN「ジョングガがヌナを好きになる程、大人になったんだなぁ。」

JK「…返してくるだけですから。」

JN「お礼にご飯くらい連れて行けばいいのに。」

JK「そんなんじゃないですって。」

JN「まぁまぁ。くれぐれも、バレないようにねー。」

バレないようにとは言っても、彼女は俺の事知ってるのかな。

そんな感じはしなかった。

ジムまでは人通りの多い道だし、フードをかぶってマスクもして。

俺が持つにしても可愛すぎる傘。

思ったよりも早く着いたのは、気持ちが募るせいなのか。

ガラス張りのカフェを覗くと、時間も時間だからあまり人がいない。

だから一際、彼女の姿は目に入った。

テーブルを１つ１つ拭いている彼女。

あのポニーテールが揺れるたび、ドキドキする自分がいる。

恋なんか、最後にしたのはいつだろ？

青春時代は全て仕事に費やしてきた。

まだまだ若いなんて言われるけど、同い年の他の人に比べれば俺は頑張ってる方。

JK「あの、」

自分でもびっくりするくらい小さな声で後ろから話しかける。

そのポニーテールがまた揺れて、振り返る彼女。

「…あ、この前の。」

JK「すいません、あれからかなり遅くなってしまって。これ。」

「いえ、わざわざ持ってきていただいて…私、あの日この傘あなたに貸したの間違ってましたよね。笑」

JK「えっ？」

「この傘、小さかったでしょ？私のほうを貸せばよかったよなーと思って！」

JK「いえ、貸してくれただけで助かりました！」

「ふふ、よかった。傘貸しただけでこんなに喜んでくれるなんて。笑」

そう言って、傘を受け取る彼女。

きっと、俺と彼女はこの傘を返して終わり。

「じゃあ、私仕事に戻るので！」

JK「はい。手を止めさせてしまって、すみません。」

「いえいえ。またぜひ、いらしてくださいね！」

そう言い残して仕事に戻る彼女のポニーテールを見つめた。

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