恋しませんか？ (ページ6)

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HS「ジョングガ、あのヌナとはどうなったの？」

移動のバンで、隣に座ったホソギヒョンに話しかけられる。

携帯ゲームに夢中になりながらも、ヌナという単語にピクッと反応してしまう。

JK「なにもないですよ。傘返して、終わり。」

HS「名前も知らないの？！」

JK「名前は…制服についてたから、キムさんっていうのは知ってますけど。」

HS「あれからもジム行ってるじゃん。カフェ寄ってないのか？」

JK「行きませんよ。だって…話すことも、ないし。」

えぇなんだよー、なんて隣でうなだれるヒョン。

話したくても、きっかけがないと話せない。
やっぱり俺は人見知り。

ヒョンに話しかけられたせいで、ゲームオーバーになった画面を閉じる。

夜のソウル市内は煌びやかなネオンが綺麗。

初めて釜山から出てきたときはびっくりした記憶がある。

この街で、俺らを知らない人を探すほうが大変。

知名度は上がり、忙しさに追われ。

嬉しいこともあり、辛いこともある。

普通の22歳じゃ経験できないことをたくさんしてきた。

逃げたくなる日もあるけど、逃げたところでなにもない。

俺には防弾少年団しかない。

ぼーっと窓の外を見つめながら、そんなことを考えていて。

JK「…ん？」

信号待ちで止まったままの景色の中に、見覚えのある姿を見つけた。

JK「…ジミニヒョン、あそこでティッシュ配ってるのあのヌナ？」

前の席に座るジミニヒョンにこそっと耳打ちをする。

JM「ん？…あ、そうだよ、多分そう。」

JK「カフェで働いて、ティッシュも配ってるのかな。」

JM「…さぁ。ねぇテヒョン、あれジョングガのヌナ。」

TH「え？！どれ？！」

こそっと耳打ちした意味も一瞬でなくなり、みんなが窓側に押し寄せる。

NJ「ちょ、バレる！そんなに押すな！」

TH「え、あの人？！すごい綺麗！！」

JN「俺よりも年上かな？！」

YG「あれがジョングガのタイプか。」

HS「あれ、カフェで働いてるんじゃないの？！」

JM「掛け持ちしてるのかな？」

信号が青に変わって、動く景色。

彼女は道行く人にティッシュを配ってた。

遠くなる姿。

傘の貸し借りで終わった関係なのに、どうしてこんなにも気になってしまうんだろう。

もっと、知りたい。

どんな人なのか、ちゃんと名前も聞きたい。

ヒョンたちはまだガヤガヤうるさかったけど、そんな中俺はそう思って目を閉じた。

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