恋しませんか？ (ページ16)

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次の日、ハヌリがダンスレッスンまでの時間にファミレスでご飯を食べた。

普段は家でしかご飯を食べないから、ちょっとした贅沢。

余裕があるわけじゃない生活。

息子と2人で食べていくのがやっと。

それでもこの子の笑顔のためなら、どんなことでもしてやりたい。

HN「やっぱり雨降ってきたね。」

「うん。傘持ってきておいてよかったね～。」

あの日、ジョングクくんに貸してあげた傘。

同い年の子より少し小さいハヌリがさしてちょうどいい傘。

ジョングクくんは助かりました、って言っていたけど、こんな小さな傘にあの大きな体はおさまらなかったに違いない。

HN「お腹いっぱいだよ、これからちゃんとダンス出来るかなー？」

「大丈夫よ。今日も迎えは行けないけど…早めに帰るからね？」

HN「うん、大丈夫！」

ハヌリをダンススクールに送り届けて、カフェに向かう。

昨日の今日だし、ジョングクくんは来ないだろう。

そう思っていたけど。

閉店間近のカフェに、ずぶ濡れで現れたジョングクくん。

雨に濡れると、可愛らしい雰囲気から少し大人っぽさを感じる。

JK「Aヌナは、俺のこと、嫌いですか？」

大きな目に見つめられ、視線を逸らした。

嫌いなんて、思うわけない。

むしろ、この雨を見つめてジョングクくんのことを思い出していた。

アイスアメリカーノの注文が入るたびに、ジョングクくんの顔が思い浮かんだ。

ハヌリのさすレインボーの傘に、ジョングクくんが入っていたのかと思うと頬が緩んだ。

このままじゃ、私はジョングクくんを気にしてしまう。

恋をしてしまうかもしれない。

でも、それは彼にとってプラスにはならない。

子供がいる、と伝えると彼の目はみるみるうちに俯いていった。

これでいい。

未婚の子持ちがアイドルと恋愛なんて。

そんなの、未来あるジョングクくんのためにはならない。

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