Chaleur【Masaki】second (ページ3)

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瑠ちゃんは強い子。
強くて、真っ直ぐで、純粋な子。

私なら、好きな人の好きな人なんて知りたくもないし
知っちゃったら、その場で泣いてしまうのに

年下の彼女は、泣かなかった。
泣かないで、笑ってた。

『邪魔者は帰りますね』って言って出ていくとき、伏せた目の隙間から見えた涙に
彼は気づいているのかな。

彼は、瑠ちゃんの気持ちに気づいていたのかな。
気づいていたからこそ、真っ直ぐに言葉をぶつけたのかな。

相葉｢Aちゃん｣

混乱してきた頭に彼の声が入り込む。

相葉｢おいで｣

手招きされるがままに側に行き、いつものスツールに腰掛ける。

天窓から綺麗に月が見える、私の特等席。

…今日の月も、満月だ。
綺麗な、満月。

相葉｢はい、どーぞ｣

コトン、と目の前に置かれたのは
いつものコーヒーと、いつものコースター

A｢…なんか、久々な気がする｣
相葉｢俺も。久々に書いた気がする｣

A｢奇遇ですね｣
相葉｢奇遇ですね｣

2人でフフフって笑いあって
お返しに、私も紙ナプキンを渡して

温かいコーヒーをひとくち飲む。

コーヒーの温かさが身体中に広がって

相葉｢Aちゃん｣
A｢んー？｣

相葉｢俺の、彼女になってくれますか｣

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まっすぐで
だけど、すんなりと入ってきた言葉に

気づいたら涙が溢れてきて
誤魔化すようにコーヒーを口にしたら、舌を火傷した。

そしたら、真剣な顔だった彼もフッと笑顔になって

相葉｢フーフーしてあげるか？｣

なんて。意地悪に聞く。

…暖かい。
ここは幸せでできているのかな

今、たぶん私がいちばん幸せ者だ。
日本で、世界で、宇宙で、いちばんの幸せ者だ

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