第九十話 ページ4
「はい、号令ー」
「起立ー」
私のだらけた声に、皆もだるそうに立ち上がる。
「気を付け、礼」
全員がだるそうに挨拶をしながら、ダルそうに座る。
「いやー、そろそろ疲れがたまって来たんじゃないかな?」
相変わらずのニコニコ笑顔で、勇本先生が意地悪そうに聞く。
「疲れたというか、逆に飽きた、ですね」
私の言葉に、勇本先生はニヤリと笑った。
この笑い方には何かある。
「さて、皆は最近ずっと同じ訓練を続けてきたな?」
勇本先生の言葉に、全員が不思議そうに頷く。
「しかし、これからはもっと厳しく、もっと本格的な訓練になるぞ」
「それって――――」
「決定した。進級試験の日程がな!」
勇本先生のその言葉に、全員が思わず立ち上がった。
進級試験。
殺し屋になるための登竜門。
その殺し屋学校で、卒業するために必要な試験。
ここで試験に落ちれば、登竜門である殺し屋学校をやめなければならない。
すなわち、殺し屋への道は狭まるのだ。
「日程は約二か月後。大体11月の中旬だ」
勇本先生の言葉に、全員が深く頷いた。
「さて、それじゃあこれで終わり。次は筆記授業だからね」
そう言い、いつもの笑顔で、勇本先生は教室を去って行った。
「‥‥‥」
閉まったドアを眺めてから、秀才が声をあげた。
「進級試験・・・だな」
そう言われ、全員の目の色が変わる。
「進級試験に落ちたら、ここでB組を抜ける・・・・・・」
「受かっても進級したらバラバラだけどな」
バカの極の言葉に、ホモサピエンスが吐き捨てるように言った。
少ししんみりした、どこか寂し気な空気が、教室に漂った。
「――――あー!!!!鬱陶しいなぁ!」
思いっきりそう叫び、ドカッと椅子に座る。
「別にいいじゃん。死ぬわけじゃないんだし。進級したって、2,3人は一緒だし、永遠の別れでもない。しんみりするな!鬱陶しい」
私がそう言うと、全員が私の方を見る。
「アッ八ハッハッハ(棒)」
天災がわざと大きな声で、わざと笑い声をあげる。
「なに?すんげぇムカつく」
「いやぁー、皆思ってるよ。『そういう孤高の狼が一番このクラスと離れたくないくせに』ってw」
そう言われ、バレたか、と舌を出す。
「最初は最悪なメンバーかと思ったけど・・・なにかといい奴だしね。ま、楽しかったよ。このクラス」
私の言葉に、全員が微笑んでから口を開いた。
「「「「「まだ終わりじゃねぇけどな!?」」」」」
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