恋と秘密が知っている-*探偵チームKZ事件ノート*-

secret7 ページ8

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「…何なの。」



あの日、私はあなたの前から姿を消した。


嫌になったから。


貴和の“幼馴染”という立ち位置が。



貴和は、いつだって優しかった。

いつだって、他人を優先してた。


ずっと…隣にいれるって、あのときは思ってた。



例え私が、あなたを好きだとしても。

好きだったとしても…。



でも、違ったよね。



私は、あなたの隣にはいられなくなった。

あなたの隣に、新しい女の子がいたから…。


その子は、もう1人の幼馴染・和典の横にもいた。


悔しかった。


けど…。



彼女の欠点は、ないに等しかった。



ほんとに、心が綺麗で、汚れを知らなかった。


何度も何度も彼女を消そうと思った。

でも出来ない。出来っこなかった。



貴和、和典を含めた5人もの男子が皆認めてた。

外見じゃない、中身を。



貴和が、珍しく楽しげに口角を上げて笑う。

そんな綺麗な顔で話すのは、いつも彼女の話。



…私なんて、入る隙がなかった。



それが、すごくすごく嫌だったから。


だから私は、自らあなたの元を離れたんだ。



もう二度と会うことのなきように。

もう二度と話すことのなきように。



気付かれないように って、
雰囲気をガラッと変えた。



だからね、元の私を知ってる人は絶対言う。

『穏方さんって、昔清楚だったよね。』

と。



まぁ、今は、
長い茶髪に紅のルージュ、さらにピアス…

の状態だから。


これでも秀明にいれる理由は、
まぁまぁお金があって、まぁまぁ頭も良いから、

だと思う。


結局のところ、世の中って全部お金。


だから理不尽なんだよ。



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