恋と秘密が知っている-*探偵チームKZ事件ノート*-

secret15 K side ページ16

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『…もしもし？』


「陽凪？」



陽凪を家まで送ったあと、
俺は一か八か、陽凪に電話した。


1回目は、通話中。

通話中ってことは、電話には出れるってことだろ？


だから、2回目もかけた。



陽凪は、出てくれた。
…もしもし、の声は暗かったけれど。



『ん。』


「今日は、ありがと。」


『私も。…楽しかった。』



…良かった。楽しんでもらえて。



「…明日も、会える？」


『ごめん。』



陽凪のテンションは、低い。



『貴和には、会えない…。』



俺には、会えない？

限定？



「どうして？」


『…人の事情に踏み込むの？珍しいな。』


「っ…ごめん。」



電話の向こうで、小さく息を飲むのがわかった。



『ごめん、言い過ぎた。』


「うん。」


『でも…言えない。』


「分かった。
また、言えるようになったら教えて。」


『うん。』


「じゃ。」


『バイバイ。………好きだった。』



ガチャンと、向こうから音がした。



呆然と、部屋の壁を見つめる。



携帯に、メッセージが入った。



『Yanagiさんが退出しました』



彼女は、また。
俺から姿を消そうとしている。



・

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