恋と歴史が知っている-*探偵チームKZ事件ノート*-

history7 R side ページ8

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やっぱり、今日の悠波はおかしい。



「お、ボーッとしてるやつがいるー

谷山悠波。この問題答えろ。」


「…X=14、Y=6。」


「おまっ…正解だ。」



授業中、講師に当てられて、
悠波の苦手な数学の問題に答えられたのは、

悠波の隣に座る上杉が、
こっそり、ノートを差し出してたから。


ね？私の彼氏優しいでしょ？

じゃなくて。



いつもなら、講師の言葉を1つも聞き漏らすまいと、必死でノートをとっているのに。



授業中の悠波は…
心ここにあらず的な感じになっていた。



「瑠梨。」


「んー？」



今は、上杉と悠波と私で帰路に着いている。







「…恋って…………、









厄介なもんだね…。」








嘆くように届いた、悠波の声。



チラリと、上杉がこちらを見た。

そして、その薄い唇を開く。



「まーな。

どうしようもなく会いたくなったり、
どうしようもなく声が聞きたくなったり、する。」


「上杉が！？」


「んだよ。悪いか」



いや、違う！嬉しすぎて！！



「…」



あー…悠波、ほんとに調子狂う。



「で、谷山は？

何に悩んでんだよ。」



上杉が悠波に聞く。



「別に？」



悠波が、小さく首を傾げた。



「…ただ…嫌んなるくらい、
物思いばかりしてるなーって。」



そう言った悠波の横顔は、


びっくりするほど、
美しくて、切なかった…。



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