検索窓
今日:2 hit、昨日:15 hit、合計:286,084 hit

episode133 ページ15

蘭「その裁判も……」

蘭がおずおずとたずねると、

境「もちろん負けてます」

境子は手をひらひらと振りながらあっさり言った。

蘭「もちろんって……」

貴「え…」

コ「(オイオイ……)」

空気を変えるどころか余計に悪くなってしまったような気がした









小五郎さんが逮捕されてもう3日目

ここのところ毎日のように妃法律事務所を訪れている

白鳥警部が朝から妃法律事務所を訪れていた

英「追加の捜査を求められた?」

デスクのそばに立っていた英理さんが訊き返すと、白鳥は「はい日下部検事に」と答えた

蘭「じゃあその捜査次第で、お父さんが不起訴になるってことも……」

白「いえ……追加捜査は日下部検事の一存で、公安警察は起訴を決めたようです」

白鳥の言葉に、英理は「ちょっと」と眉をひそめた

英「なんで警察が起訴に口出すの?警察は検察に監督される立場のはず

  何より起訴は検察官の独占的権限で……あっ」

貴「どういうことですか?…」

そういうと境子さんは『あぁ』と言って知らない私に教えてくれた

境「一口に公安部と言ってもね、警視庁、警察庁、検察庁にはそれぞれの公安部があるの

  警察は捜査した結果を検察に送るけど、検察はそれを受けて改めて事件を調べるのね

  容疑者を起訴するかどうかは、この検察の調べを踏まえて、検察官が判断するのが普通

  でも…検察の公安部だけは違う」

説明しながら歩き出した境子は、ガラス張りの壁面の前で立ち止まり、左手を窓についた

境「はっきり言って検察の公安は警察の公安に歯が立たないんです

  捜査員の人数やノウハウに雲泥の差がありますからね

  だから……起訴にも『公安的配慮』が働くときがある」

貴「公安的配慮…?」

コ「(公安的配慮……か)」

境「特にサミット会場の爆破なんて、公安警察の顔に泥を塗ったも同じ

  必ず起訴しろという圧力が容易に想像できます」

蘭「それじゃあ、お父さんは……」

蘭が不安そうにたずねると、窓の外を見ていた境子はゆっくりと振り返った

境「えぇ、きっと起訴されます」

コ「(この弁護士。まるで起訴を望んでいるみたいだ……)」

貴「そんなこと…あっていいんでしょうか…」

コ「………」

私の素朴な疑問に誰も答えようとはしなかった

episode134→←episode132



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (293 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
889人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

真白 - うわぁぁ!きゅんきゅんだ (2023年4月8日 16時) (レス) @page46 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
- もう、めっちゃドキドキした! 超最高!! いつも、応援してます。頑張ってください(`∀´)d (2020年4月20日 14時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
りな - 安室さん かっこいいですぅ〜♪ (2020年4月20日 14時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 読んでてドキドキ、キュンキュンしまくりでした!続編お願いします!応援してます! (2019年6月19日 22時) (レス) id: b0ae989307 (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - 続編お願いします! (2019年5月20日 16時) (レス) id: 95b9570949 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ララ | 作成日時:2018年12月24日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。