Story 59 ページ13
「こんなところで何を？帰りましょう」
なぜか観覧車の順番待ちをしていたキュラソーに女優帽を目深に被ったベルモットがそう声をかける。てっきりそのまま付いてくるかと思いきや。
「おーい！姉ちゃん！ボーッとしてると置いてっちまうぞ！！」
どこからか子どもの声が聞こえて、キュラソーはそっちに向かって足早に歩いていってしまう。
「！？」
ベルモットはとっさに遠くで成り行きを見守っていたローズを見た。Aは
「計画変更よ…何かトラブルがあったみたい…」
ベルモットはローズの方へ歩きながらジンに連絡を取った。
《 急げ！野放しにはしておけねぇからな…》
「わかってる」
プツリ、通信を切ったベルモットはため息をひとつ吐いた。
「全く
ボヤいたベルモットにカラカラとAは笑った。
『そういう男でしょ、彼は』
「わかってはいるのよ…それにしてもキュラソーはどうしちゃったのかしら…！？」
キュラソーの方向を見たベルモットが不意に固まり、指をさす。ローズがそっちを見やれば―――。
「元太くん！」
「落ちるー！！！姉ちゃん、助けてー！！！」
どうやら子どもの一人が観覧車の乗り場に上がるエスカレータから足を滑らせたようで必死に壁を掴んでいる。その横に居るのはキュラソーである。
ベルモットとローズが見守る中、ズルリと元太と呼ばれた子どもはその場から滑り落ちて行く。高さはいったいどのくらいあるのだろうか。落ちれば怪我では済まないだろう。
キュラソーはとっさに自分も飛び降り、壁を蹴って元太をキャッチした。脅威的な身体能力を持つ彼女だからこそできるワザである。
「大丈夫！？しっかりして！！」
キュラソーの声がどこか遠くに聞こえる。
見開いた瞳は黒と青のオッドアイ。灰原はドクンドクンと自分の鼓動を聞く。
(何、何この感じ…まさかやっぱりこの女…。そうよ、前に工藤君が言ってた…黒ずくめのNo.2…RUM…)
様子を見守っていたベルモットとローズは首を傾げた。ぽつり、ベルモットはつぶやく。
「どういう事？」
それにはローズ――Aも同感だった。なぜ彼女が見ず知らずの少年を助けたのか―――。
キュラソーは優しいから。Aがひとり下した判断はそれだった。
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祥子(プロフ) - とても深いグリーンさん» ありがとうございます！お待たせしました！！最終話にリンクを貼っております(^^)是非お楽しみください！ (2017年12月31日 11時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - ”いったん”完結おめでとうございます(^^)新章待ってます！ (2017年12月30日 22時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» 嬉しいなあ！クローバーさんも良いお年を〜(*^^*) (2017年12月28日 19時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 祥子さん» はい、暇あればチェックしちゃうんです(//∇//)ローズが心配ですが、良いお年を！ (2017年12月28日 0時) (レス) id: 0cbfa43b10 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます(*^^*) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥子 | 作成日時：2017年10月14日 16時
