【唯&幸子のお願い1《撮影開始編》】 ページ22
「Aさん♪」
部活が終わり、制服に着替え終わった途端、唯がニコニコと話しかけてきた。
「じゃ、お願いしますね。」
反対側からは、デジカメを掲げた幸子が。
「…ほんとにやるの?」
私は一応、幸子に確認してみた。
「当ったり前です!やってくれるって言ったじゃないですか!」
「そうなんだけど…。」
正直、やりたくは、ない。
何の話かというと…
「大丈夫です!Aさんなら、絶対大賞狙えますよ!この『私の学校のステキな彼女』!」
唯が雑誌を指差して力説した。
「…私は別に、大賞取りたい訳じゃなくて…」
「わかってますよー。狙いは副賞でしょ?」
まぁつまり、唯が雑誌で『私の学校のステキな彼女』という写真コンテストを発見し、それに私の写真を送ってみようと、幸子が提案したわけで。
「私たちは、Aさんの写真で大賞取ってみたいだけなんです!副賞は全部Aさんにあげますし、もし大賞取れなくても、スイーツ食べ放題奢りますから!」
唯が目をキラキラさせながらズイッとにじり寄ってきて、幸子は頬を紅潮させて頷いた。
まさにその条件で二人の頼みを引き受けた私は、はぁ、と短く嘆息する。
「…わかったわかった…」
「では、早速。」
そう言うと、唯がメイク道具をジャラッと取り出した。
「メイクもするの!?」
「当然です!やるからには完璧な『作品』を作りたいんで。あ、髪もちょっといじりますねー。」
「…もう好きにして…」
それから私は、二人の手によって顔やら髪やらを20分ほどかけて細々と整えられた。
「んー、こんなもんかなぁ。」
顎に手を当てて私を眺めながら唯が言う。
「こんなことしても、私なんかの写真で大賞取れるわけないって…」
「Aさん、大丈夫です!写真には外見しか写りませんから!」
「…幸子、それどういう意味?」
「よしっ!じゃあAさん、ここに立ってください!幸子、よろしく!」
「オッケー!」
あんたら、先輩の疑問はスルーかい。
「じゃあ、撮りますよー!」
そう言って幸子がデジカメを構え、色々な角度から写真を撮っていった。
「Aさん、ちょっと笑ってください。」
ヒクッ
「引きつってますよ!もっと柔らかく慈愛に満ちた聖母のような眼差しで!」
「ムチャ言うな!」
と、幸子に滅茶苦茶な要求をされながら写真を撮っていた時、不意に部屋のドアがコンコンとノックされ、そのままガチャッと開かれた。
【唯&幸子のお願い2《御幸登場編》】→←【小湊亮介のいたずら】※下ネタ強(^^;
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暇人 - フランス革命さん» ちゃんと読んでなくて草。中学生ではないネタ何個もあるのに。 (1月6日 11時) (レス) id: 9409c0bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
味塩 - すごく好みで面白かったです!!ギャグ夢大好きで、夢主のノリも理想通りで本当に最高でした…!全シリーズ読んだのですがまた最初から読みたくなっちゃいました。どれもそのキャラらしさが出ていて本当に面白いです (2022年10月27日 1時) (レス) id: 2296c25889 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。亮介さんLoveなので、本当はこのキャラでの長編が読みたいですが、続きも楽しみです。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸(プロフ) - もう、すごく面白くて、大笑いしました。 (2022年1月26日 20時) (レス) @page49 id: 07285a2235 (このIDを非表示/違反報告)
フランス革命(プロフ) - 中学生バレバレで草。高校のテストこんな甘くねーよ (2019年7月29日 21時) (レス) id: 6067ba3fc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2015年6月7日 16時