御幸一也【幼馴染の恋】 ページ16
好きな人が幼馴染って、難しい。
小さい頃は『大きくなったら一也君と結婚する!』なんて、無邪気に笑って言えたんだけど
成長するにつれ、一也との距離の取り方が難しくなった。
私の思いは強くなる一方なんだけど、もし断られたら…と思うと、告白することもできなくて
ずるずると、今まで通りの『幼馴染』でいる毎日で…。
はあぁぁ…
放課後の教室で、私は机に突っ伏してため息をついた。
それから、チラリ、と一也の席に目を向ける。
その一也は今、隣のクラスの女の子に呼び出されて中庭に行ってる。
なぜ私がそれを知っているかというと、その子から友達経由で『放課後、中庭に来て欲しい』という一也への伝言を頼まれたからで…。
これは絶対…告白だよね…?
「…あれ?お前まだいたの?」
ぐるぐる考えていた私は、入口から聞こえた一也の声にハッと顔を上げた。
ゆっくりと自分の席へと向かいながら、一也は軽く息をつく。
「あのな、もしまた伝言頼まれたりしたら、俺に伝えなくていいからその場で断っといてくんね?」
「そ、そんなのできるワケないじゃん…!女の子にも…失礼だし…」
やっぱ告られたんだ…
断ったみたいだけど…
「どっちみち結果は同じなんだって…」
はぁ…、と疲れたようにため息をつきながら、一也はチロ、と半目で私を見た。
「…なぁ…こういうのさ…有り難い事なんだろうけど、やっぱ困るし…そろそろどうにかしてくれよ。」
「…そんなの…私に言われてもさ…」
目を泳がせながらゴニョゴニョ言うと、一也は真顔で続けた。
「…お前だから言ってんだろ。」
「…え?」
「そろそろ待つのも限界なんだけど。」
…待つ…って…?
一也の言ってることがわからなくて困惑していると、一也は天井を仰いで嘆くように言う。
「あ〜あ。俺の好きな子は、いつになったらちゃんと告ってきてくれるんだか。」
「…え…?か、一也…好きな子いたの…!?」
「うわ〜…ダメだこりゃ…」
なぜか呆れたようにそう言って、一也はゆっくりと私へ顔を向ける。
そして…
「…『大きくなったら、一也君と結婚する』んだろ?Aチャン?」
ニッと口角をあげ、不敵に笑って…
……え?
……な?
……はあぁぁ!?
「……な……それ……お、覚えて……!?」
完全に言葉を失った私に、一也は不敵な笑みを浮かべたまま言った。
「結婚宣言までしたんだから、責任とって幸せにしてくれよな。」
(月夜様リク)
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雪星(プロフ) - 出雲さん» 出雲様、返信が遅くなり申し訳ございません!今さらですが、リクエスト受けさせていただきます!御幸編と小湊兄弟編で分けて書かせていただきますね(>_<) (2018年1月23日 22時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 乙葉さん» 乙葉様、返信が遅くなり申し訳ございません!今さらですが、リクエスト受けさせていただきますのでもう少々お待ちくださいませ! (2018年1月23日 22時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
出雲 - いつも雪星様の作品、楽しく読ませていただいております。倒れた夢主を心配しまくる過保護な御幸と小湊兄弟のお話が読みたいです。難しいとは思いますがどうかよろしくお願い致します! (2017年12月13日 4時) (レス) id: 888639fabb (このIDを非表示/違反報告)
乙葉(プロフ) - リクエストお願いしたいんですけど・・・倉持くんが彼女をからかって返り討ちにされるというリクエストなんですけど・・・ちょっと難しいですかね!?できるならお願いします!! (2017年11月26日 17時) (レス) id: 0b1b7fbed3 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - 雪星さん» あわわわわヽ(;´Д`)ノごちそうさまでした笑いつき可愛すぎかよ!鳴ちゃん邪魔しにこなかったらどうなっていたのか…。ニヤニヤありがとうございます笑 (2017年11月22日 22時) (レス) id: 85da798f24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年2月4日 22時