【三年生の場合・参(13)】 ページ14
クスッと笑いながらクリスにポンポンと軽く頭を叩かれて、むぅ、と膨れていると、哲が不思議そうな顔でクリスに聞いた。
「なんだ?その、ごでぃば、とか、でめる、とかいうのは…何かのまじないか?」
「いや…チョコレートのブランド名だ。」
「ほう…チョコレートにはそんなハイカラな名前のブランドがあるのか。明治やロッテもうかうかしていられないな。」
「…哲…なんか違う…」
海外の有名チョコレートブランドを、国内のお菓子メーカーと並べて欲しくはないんだけど…。
まぁ、いいか…。
興味のない人に理解させるのは難しいし…。
なんて考えてたら、私と同じことを思ったのかクリスが話題を変えた。
「それにしても…さっきは三人で一体何の話をしてたんだ?かなり盛り上がっていたようだが。」
すると、亮介がニコッと笑いながら口を開く。
「純が一人で照れてただけだよ。」
「おいこら亮介!」
「「照れてた?」」
クリスと哲が声を揃え、亮介が楽しそうにかいつまんでさっきの出来事を説明すると…クリスがため息をつきながら言った。
「まさか純に、墓穴を掘る趣味があったとはな…」
「おいっ!お前もかクリス…!」
「なんだ、やっぱりAは純が好きだったのか。」
「いやちょっと待って哲!話聞いてた!?あれは嘘告で…!」
「嘘じゃないだろう?」
「嘘だよ!」
「そうか?俺は本当のことだと思うが…」
「な…なんで…!」
「俺も純が好きだからな。お前の気持ちもわかるさ。」
………………………。
…マネージャー室に、沈黙が、訪れた。
「…て…ててて哲?」
「何だ?」
「じ、純が…好き?」
「あぁ、好きだ。」
けろん、と哲が答え、ギギギッと首を無理矢理動かして純を見ると、なんだか全体的に真っ白になって固まってる。
「俺にはないものを持っているしな。本当に出逢えて良かったと思っている。」
ポッ、と頬を赤くして、「改めて口にすると照れるな」なんて哲が言った。
こ…これは…その…アレなの!?
軽くパニックに陥って口をパクパクさせていると、哲がフッと笑いながら言った。
「もちろん、クリスや亮介や、Aのことも好きだぞ。お前たちに逢えて良かった。」
………………………。
…二度目の沈黙が、訪れた。
「…そうだろうとは思ったが…」
「相変わらずだねぇ、哲。」
ため息をつくクリスと、ニコッと笑う亮介の前で…私と純は、ベシャッと床に崩れ落ちた。
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雪星(プロフ) - 椰子の実さん» 椰子の実さん、コメントありがとうございます!大好きと言ってもらえるだけで嬉しいのに、頻繁に読んでくださっているとは…!元々自分の息抜きで始めたある意味バカバカしい短編集ですが(^^;楽しんで書いてますので、また読んでやってくださいっ(≧▽≦) (2016年9月11日 22時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
椰子の実 - このシリーズが本当に大好きで大好きで、ほぼ毎日読んでる感あります(笑) (2016年9月11日 20時) (レス) id: 5b93e46beb (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 抹茶さん» 抹茶さん、コメありがとうございます!夢主は、制服の時は基本的に短パン装着してる設定です(^^;すぐ足が出る自覚があるので…(^^;たまに忘れてたりして、倉持や白河君がその場面に遭遇してラッキースケベが発動してます(^^; (2016年4月6日 23時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - この作品とっても面白いです(^^♪後、前々からずっと気になってた事があるんですが夢主ってよく回し蹴り?してますよね、この時パンツ丸見えになってないんですか?もし、見えてたら倉持達は見て見ぬふりをしているのですか? (2016年4月4日 23時) (レス) id: 301a2e1b49 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - あおあおさん» あおあおさん、はじめまして!コメありがとうございます!有り難いお言葉、嬉しいやら恥ずかしいやら…(≧▽≦)なるべく早く続編公開できるように頑張りますので、少々お待ちください(>_<) (2016年4月2日 22時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2016年1月27日 19時