２２５話 ページ26
皆がAに注目した。緩やかな風が吹き髪紐の鈴が鳴る、それを合図に扇を開きAは舞だした。
Aは声が出ないので勿論歌うことは出来ない。しかし、Aが動く度に髪紐の鈴が軽やかに鳴った。
Aの舞う姿は月明かりに照らされた桜の花びらのようにひらりひらり舞い散るようだ。
さらに月明かりで頭に着けていたシンプルな簪も光に当たり淡く輝いていた。
Aの舞う姿に言葉を失くしていた忍たま達。するとタカ丸が小さく呟いた。
タカ丸「なるほど。確かにあの簪がいいね。」
「「？」」
滝夜叉丸「何がですか？」
タカ丸の呟きに仙蔵と喜八郎以外の皆がはてなを浮かばせていると滝夜叉丸がタカ丸に聞いた。
タカ丸は先程の簪の話をした。
タカ丸「確かにあのシンプルな簪が舞手であるAちゃんを引き立ててる。ただの飾りじゃなくてAちゃんの一部であるかのように一致してるね。」
仙蔵「普通に舞うだけではなく、きちんとお題を決め相手が楽しめるように魅せているな。」
喜八郎「Aはセンスがいいですねー。」
タカ丸「そうだね。元髪結いだから何人かの舞手の人も結った事はあるし、舞も見たことあるけど、正直あの歳であそこまで考えて舞えるのは、元々才能があったとしか考えられないね。」
Aの舞を見ながら話していると、それまで真剣な眼差しで舞っていたAが皆の方を見た。
A【(よし、軽く体も動かしたし、まだ大丈夫だからそろそろ司を呼ぼう。)司。】
司「ｷｭｰ！」ﾀｯ
「「あ！司！」」
司はAに呼ばれ駆けていった。そんな司につい声をあげた一年生達。
喜八郎「そういえば舞の練習の時は司か疾風も一緒に踊るって言ってたよ。」
喜八郎が司が走り出した理由を皆に話した。一年生達の呼び声を聞きながらも司はAに駆け寄り飛び付いた。
Aはそうくる事をわかっていて受け止めずにひらりと交わした。
司「ｷｭ〜！」ﾋﾟｮﾝ
A【ふふふ！】ﾋﾗﾘ
司「ｷｭ〜ｩ！」ﾋﾟｮﾝ！
A【ふふふ！やぁだ！】ﾋﾗﾘ
司がじゃれるようにAに飛びつくがAは桜の花びらのようにひらりと交わし続ける。ただ遊んでいるように見えるもきちんと舞を踊り続けている。その光景はとても楽しそうで美しいものだった。
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467907 - 毎日小説を楽しみにして見ています。これからも更新頑張ってください。 (2019年12月13日 21時) (
レス) id: b37af81138 (このIDを非表示/違反報告)
ユリリン - 本当に面白い小説ですね。毎日更新楽しみにしてます。提案なんですけど、主人公が少しおめかしして上級生と街へ出かけるのはどうですか。出来ればアルバイト組の中から選んでほしいです。もしよければネタに使ってください。続き待っています。更新がんばってください。 (2019年11月29日 10時) (レス) id: 4f0d699f1e (このIDを非表示/違反報告)
キュラ(プロフ) - 初コメ失礼します。毎日素敵なお話を更新して下さりありがとうございます。忍たまの作品の中で一番愛読しております…！主人公ちゃんが可愛らしく、また忍たまとの絡みがとても好きです。これからも応援しています。無理なさらない程度に頑張って下さい！ (2019年11月28日 8時) (レス) id: ebd8741ed8 (このIDを非表示/違反報告)
ユリリン - 毎日更新お疲れ様です。今日も面白かったです。お風呂の相手なんですけど、主人公に恋愛感情を持ってなさそうな人で選ぶのはどうですか?四年生~六年生で主人公を妹みたいに思ってる人がいいです。更新がんばってください。続き楽しみに待っています。 (2019年11月25日 9時) (レス) id: 4f0d699f1e (このIDを非表示/違反報告)
ユリリン - わかりました。更新がんばってください。続き楽しみに待っています。 (2019年11月24日 13時) (レス) id: 4f0d699f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱鳥 | 作成日時：2019年10月23日 13時
