ドS先輩【歌い手】【うらたぬき】 (ページ19)

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Nineteen ページ19

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私が、此処に転校してくる前
高校デビューなんて事にまるで関心がなかった私は
周りから"地味"だと言われ続け、気がついたら"地味子"なんて
あだ名が付いていた。

初めは、誰も私に話しかけてくる奴なんていなかった。
毎日、机で本を読んで過ごしていた。

しかし、ある日の事。
そんな平凡な毎日が一転したのだ。

私はその日、いつも通りに学校へ行き
授業を受けて、いつも通りの毎日を終えようとした放課後の事。

｢ねぇねぇ、君。｣

何処からか声が聞こえ、思わず足を止めた。

振り返ると、視界に入ってきたのは
少し明るめの髪色に、シャツをだらしなく出していて
此奴はヤンキーかと思う風貌の男子生徒が立っていた。

『私に、何か用ですか？』

｢ふふーん。大したことじゃないんだけどさ。｣

そのまま彼は、私の方へ徐々に距離を詰めてくる。
思わず後退りをした私だったが、背中には冷たい壁が当たって
ヤバイと思った時には既に彼は目の前にいた。

徐々に近くなる距離に、思わず目を瞑ると

ｶｼｬｯ

と、何処からかカメラのシャッター音が聞こえた。

そっと目を開けると、彼はもう目の前にはいなくて、
その代わりに、私の少し離れたところでカメラを構えている人物がいた。

｢ありがとね～Aさん。これでやっと彼女も別れてくれるよ～｣

『は？』

｢彼女が別れてくれないから、君を使わせてもらうよ。よろしく～｣

なんてそそくさと去っていった。

これは大変なことになったと、理解したのは数秒後。

***

そして次の日。

いつも通りの平凡な学校生活は崩れ落ち、私に対する
いじめが行われていた。

どうやら、昨日の男子生徒の言っていた彼女というのは
クラスの中心人物で周りからも人気のある女子生徒だったようだ。
その為、その女子生徒の怒りの矛先は私に向いたわけだ。

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『どうして私が……』

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