ハコヅメ＊６

・危　険 ページ38

side 川合


「私たちもルール守るね！」と
子供たちの言葉が嬉しくて、
胸が熱くなる。


川「うん。お願いね！」と


子供たちの背中を見送る。



伊「川合くん、感動したよ。
　 涙出そうだった。」


川「ホントですか？」


伊「子供の学芸会思い出して。」


川「そういう目線？」


藤「でもまあAは号泣だったよ。」


『藤さん！』


川「えー！！やった！」


『よく喋れてたよ！』


と、
照れているのか
少し頬を赤らめたAさんが
帽子を撫でてくれた。


藤さんもハコ長も
嬉しそうな顔をしてくれて


やめなくてよかった。

また頑張ろう！

と 思えた。




伊「よし、じゃあ片付けようか。」


『「「はい。」」』




片付けに向かうと、
道路の真ん中で遊ぶ子供たちがいて、
注意しようと向かった。



…あれ？



そこへ
一台の車が走ってきているのが目に入る。



子供たちとの距離が
どんどん近付いているが、
その車が減速する様子は見られない。



車の進行方向では、
道路に落ちたものを拾い集める子供たち。



このままだと……



気付け！


気付け！と



私は運転手への念を込めながら



慌てて車に向かって警棒を振り、
警笛を鳴らした。



それでも
運転手は気付く様子がなく、
子供たちに突っ込もうとする。




子供たちが危ない！




気付いたら
私の体は 子供たちの方へ動き出していた。

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