vs.2 依頼主 ページ3
Side.二郎
兄ちゃんの肩を叩いたその人物を目にした瞬間、俺はその人の瞳に吸い込まれそうになった。
いや、むしろもう吸い込まれていたのかもしれない。
あのマゼンタピンクは、目に毒だ。
一「…っA！」
『わっ』
兄ちゃんはAと呼んだ人物を見た瞬間、縋るように抱きついた。
普段あまり目にすることのない光景に、俺も三郎もポカンとしている。
一「お前マジで今までどこに…っ！…無事でよかったけどよ…」
『ふふ、散歩だよ、散歩』
一「どんだけ長い散歩だよ…」
まるで子供をあやすかのように兄ちゃんの背中を撫でるその人物と、ふいに目が合ってしまった。
Aという人物は目が合った俺にニコッと微笑んだ。
その綺麗な微笑に、俺は顔に熱が集まるのを感じた。
三「なに顔赤くしてるんですか？気持ち悪いですよ」
二「なっ！別に赤くしてねぇ！！」
三郎の嫌味を受けてハッとした俺は、兄ちゃんにこの人は誰かを問う。
一「コイツは神崎A。俺が元々いたThe Dirty Dawgのメンバーだ」
『初めまして。Aって呼んでね』
三「よろしくお願いします」
二「よ、よろしく…」
一通り自己紹介を終えると、兄ちゃんは「そういえば」と思い出したように言った。
一「依頼主遅くないか？もう10分も過ぎてるんだが…」
二「そういやそうだな。バックレか？」
三「依頼しておいてバックレはないと思うんですが…」
『あ、それ俺』
何でもないことのように平然と言ってのけたA。
誰もこの人が依頼主だと思っているわけもなく、俺たち3人は目を合わせた。
一「は！？お前が依頼主かよ！？」
『そう。一度会ってみたかったんだ〜イケブクロで話題の山田三兄弟』
でもまさか、とAは言葉を続ける。
『一郎が率いるチームだとは思わなかったな』
一「俺が山田なの、お前も知ってるだろ」
『山田違いかなって思ってた』
ふふ、と笑うA。
じゃあこれで依頼達成か、と思いきやAは懐から封筒を取り出して兄ちゃんに手渡した。
『はいこれ、報酬』
一「ああ、サンキュ」
『あとこれも』
一「？こっちは？」
『追加分』
そう言ったAはさらに言葉を続ける。
『新しい依頼。
俺を左馬刻のところまで連れてって』
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鈴 - とっても続きが気になります。更新まってます (2019年2月2日 19時) (
レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
月-狂人- - 最高です！！にやけながら読ませてもらいました((早く続きが読みたいですが、無理はされないでくださいね。応援しております！！ (2018年10月14日 6時) (レス) id: 9f6c7298bc (このIDを非表示/違反報告)
苺大福(プロフ) - スッゲー面白かったです。更新頑張ってください！ (2018年9月24日 9時) (レス) id: 99e8f5403a (このIDを非表示/違反報告)
上原(プロフ) - 琴葉さん» 作者です。そのうち全員に取り合いさせたいです(願望)楽しみと言ってくださりとても嬉しいです、更新頑張りますのでどうぞよろしくお願いします◎ (2018年9月14日 15時) (レス) id: 9379cd824d (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - やめてっ！私の取り合いをしないでっ！マジでそんなことが言えそう…。続き楽しみです (2018年9月5日 23時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：上原 | 作成日時：2018年7月24日 1時
