溺愛される鬼少女② (ページ2)

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違和感④ ページ2

「…お前、何して…」

「私の力は唇に接吻したほうが強いんですよ」

さすがに驚いたのか目を見開く義勇さん。
…なんか恥ずかしい。

「…」

「あれ、もしかして、嫌でした？」

好きでもない女と接吻するの嫌だったかな？
いや、普通は嫌なんだけど…私の感覚おかしくなりすぎてたかも。

「ごめんなさ…っん」

謝ろうとしたのに目の前には義勇さんの顔。
…接吻された。

「…っ嫌なわけないだろう」

離れてそう言った義勇さんの顔は真っ赤。

「え、あ…はい」

びっくりして腰が抜けた。
立ってられなくなって座り込もうとしたら腰に腕を回される。

「…他の奴にはするな」

そして抱きしめてくる義勇さん。
…なんだかいつもと違う。

「義勇さん、何かありました？」

「…何もない」

そう言うけどいつもより自信が無さげで不安そうで今にも壊れそうな気がした。

「私は義勇さんの味方ですよ」

「わかっている」

「じゃあ話してください」

抱きしめ返したのは良いんだけど…
ものすごく重たい。全体重かけてません？

鬼じゃなかったら耐えららないよこれ。

「俺はお前を忘れたくない」

「え？それって…」

「すまない」

それだけ言うと離れる義勇さん。
離れた余韻で私の腕が行き場を無くしてる。

「色沢彩という女に気をつけろ」

そう言うと義勇さんは部屋を出て行った。
…色沢彩って…誰だっけ？

それにしても変な義勇さん。

私の腕が恥ずかしいわ、行き場なしだわ。

・

「アオイ」

「どうしたの？」

色沢彩という人が無性に気になって
色んな人に聞いてみることにした。

「色沢彩って人を知ってる？」

「詳しくは分からないけど、最近隊士から良く聞く名前ね」

「良く聞くの？」

「なんでも色気があるだって」

い、色気って…。
テキパキと洗濯物を干すアオイのお手伝いをしながら話す。

「その人と任務に行った隊士は様子がおかしくなるから私もちょうど悩んでた所だけど」

「おかしくなる？」

「違和感があるのよ、しのぶさまにも話してみたけど分からないわ」

「そうなんだ…」

私もよく分からなくなってきた。