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*


影山さんの腕なら不可能ではないけど、……確実に論外。うん。

というわけで第二案――はなかったことにしよう。いくらなんでも恐ろしすぎる。


すると、日向さんが「あ、じゃあ」と思いついたのか研磨さんの顔を見る。


「研磨、なんかヒナガラスを引っ張ってこれそうな呪文とかねぇの?」

「そんな便利なものないよ……」

「あいつに呪いをかけて、操ってここまで来させるとか」

「まず白魔術の領域じゃない」


第三案もあえなく崩壊。……最初から期待はしてなかったけど。

それにしても、とまた上を見上げる。なんだかどんどん小さくなっているように見えるヒナガラスは、見ているとだんだん虚しくなってくる。

もういいだろ、と影山さんが言った。


「打つ手がねぇんだから、これ以上ここにいたって意味ない」

「あっ! じゃあ、おれのこのジャンプで上まで――」

「話聞け!!」


影山さんも大概話聞かないですけど――ぼんやり失礼なことを考えていると、横で日向さんが軽くジャンプを始めた。研磨さんがぎょっとする。


「日向、何して……」

「こう、助走をつけでビュンッと――」

「ちょっと待って、」


私達の静止も聞かず。

日向さんは数歩後ろに下がると、木の正面に向かって走り出した。

手前で跳躍する――はず、だったのに。


「っうわっ!?」


目測見誤ったのか、はたまた木が高すぎたのか。


日向さんは奥の茂みに向かって落ちて行った。あああ、と言う声が研磨さんとハモる。

日向さんの叫び声が聞こえて、姿が見えなくなる直前、大きな人影が見えたような気がした――。


慌てて駆け寄った私達三人は、茂みを覗き込んでぎょっとすることになる。


「イテテ……あ、おれなら大丈……え?」


後頭部をさすりながら上体を起こした日向さんの、――下には。


彼の下敷きになって、空を睨みつけている――大柄な男の人がいた。


*

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設定タグ:ハイキュー!! , FHQ , 影山飛雄   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年8月1日 18時

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