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「つまりさ、研磨はそいつのこと助けたいんだろ?」
コクリと頷く研磨さん。日向さんはニッと笑った。
「おれたち、大王様のところに行って倒すつもりなんだ! ――だから、研磨も仲間にならないか?」
「…………」
白魔導士もいると心強いし、と、力強い勧誘。
研磨さんは黙って、何か考えているようだった。そして、しばらくしてからようやく顔をあげる。
「うん」
頷いた彼に、思わずおっと色めき立つパーティ。
「一人じゃ心細かったし。……これから、よろしくね」
こうして、仲間がもう一人増えた。
新たに四人となったパーティ。そして、頃合い良く焼けた木の実の香りが鼻腔をくすぐる。
「じゃあ、ご飯にしましょうか! そうだ、研磨さんはずっと食べ物どうしてたんですか?」
「森続きだから特に困らなかったよ。お陰でちょっと詳しくなったし」
「やっぱ森にはあるんだな! ってかA、コレ食べていいの?」
「いいですよー」
「……いただきます」
ようやく食べられる、と思うとまたお腹が鳴ってくる。
束の間の癒し。こんなのもあるけど、と研磨さんが担いでいた他の食べられるものを出してくる。
今夜はこの辺で野宿か、と少しずつ暗くなっていく森の中で思う。火だけが皆の顔を照らす。
そのときだった。
私以外、気付く人はいなかったけれど――たしかに、気配がした。
よく知っているような、懐かしいような気配。
さりげなく振り返った時には、その場所の葉が揺れているだけだった。
*
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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年8月1日 18時