[オリジナル恋愛小説]いちげきっ！ (ページ9)

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第２話＊ページ9

扉の方を振り向くと、そこには一人の女子がいた。

宮戸友梨歌先輩…

宮戸先輩は二年生で、めっちゃ美人。

んでなぜか私にだけ厳しい…気がする。

正直…苦手。

宮戸先輩は手を二回叩くと、大きな声で、

｢皆ー！もうすぐ部長来るよー！｣

部員達は慌てて定位置に座る。

私も皆に続いて座る。

部長…

私の…初恋の人…国村先輩…

あの時先輩に恋をした私は、それから日が経てば経つほど好きになっていく。

どうすれば、いいんだろう？

だって歳が２つも離れているし、先輩は超ハイスペックだけど私は全然…って

つりあわなさすぎる

ガタッガタガタガガッガタ

｢おーい！皆、始めるぞー｣

く、国村先輩だ！

"押忍‼"

部員の返事が重なり合う。

｢よーし、まずは準備体操から！｣

よっしゃ‼今日も頑張るぞ～！

練習を開始して一時間が経過した。

今は突きの練習。

｢よし！気合い入れて百本いくぞ！｣

高原先輩の声に皆は、｢押忍‼｣

ひゃ、百本～！？

１！…２！…３！…

高原先輩の号令が武道場内に響く。

部長の国村先輩は部員を見て一人一人アドバイスをしてくれている。

15！…16！…

｢もっと引き手を引いて。脇を締めろ｣

頭上から声が聞こえた。

見上げると…国村先輩がいた。

私は先輩の指示に素直に従う。

すると先輩は私の拳を握った。

えっ…せ、先輩…手…

｢拳を握る時は小指からだ。ほら｣

え？…あ、はい

私は慌てて握り直す。

先輩も私の手に自分の手を重ねて手伝ってくれる。

ドキ…

｢よし、これでOK。頑張れよ｣

そう言って先輩は前の方へ行った。

あ～…国村先輩に手を触ってもらった～

嬉しすぎる…

一人赤くなっている私を横目に宮戸先輩が舌打ちをしたことに、その時の私は気付きませんでした。