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当時のバイト先、ちっさい個人でやってるレンタルビデオ屋の先輩。確か28だとか29だとか言ってた気がするから、先生より少し上ではあるけど同年代という括りに入れても良いと思う人だった。
「あのさーちょっと聞きたい事あんだけど」
「んー？」
「誕生日にもらって嬉しいもんて何？」
「おいらの誕生日まだすげー先だよ」
「いや、あんたのじゃなくて」
「はーん。年上彼女かー？」
客なんて数えるくらいしか来ない店内は、いつも大体この先輩と俺で過ごして終わりな日が多かった。業務内容は掃除と整頓とレジ対応。なんだけど、掃除やったら後はレジんとこで俺は読書、先輩は釣り雑誌を捲ってた。経営成り立ってんのか心配になるくらい暇だった。
そもそもオーナーが映画マニアで収納しきれなくなったビデオやらDVDを倉庫として置きつつ、それを貸し出してるだけで採算なんかは合わなくても良かったらしい。そんな事するくらいだからオーナーはハチャメチャに金持ちで、ぶっ飛んだ人だった。海外に行くとお土産を買ってきてくれたし、正月にお年玉くれたりもする人だった。
それは良いとして。年上彼女か、なんて質問に曖昧に笑った俺を、先輩はニヤニヤ見ていた。
「なんすか」
「いーねぇ、青春だねぇ」
「質問の答えは」
「なんだろなぁ。なんでも嬉しいかなぁ」
聞く相手を間違ったな、と思った。でも周りにいる大人で気楽に話せる人なんて他にいないし。せめてヒントが欲しかった。
「なんでも、つったって要らない物もらっても困るじゃん」
「好きな子がくれるもんなら何でも嬉しいよ」
「それが大人の答え？」
「うん。まぁ相手が成人してるんだったらオシャレな酒とかあげちゃって？飲んじゃって？酔わせちゃったりして？」
「俺飲めねーし。つか、なくなんない物が良いんだけど」
これ言うのすっっっげ恥ずかしかった。形として残る物が良いとか、普通に考えることではあると思うんだけど。なんか俺より長く生きてて色んな経験してる人に、若造の甘い理想みたいなものを語ってしまったような気になって。
案の定先輩は「翔ちゃんかぁわい」なんて笑ったんだった。
結局、ヒントも何も得られずに気付けば期末テストが迫っていて。例の如く上位をキープせねばならない俺は勉強の合間にもあれこれ考えたりもして。それでも、これだ！って物を見付けられないままに期末テストが過ぎ、目の前で夏休みが手招きしていた。
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7oh(プロフ) - 薫さん、おはようございます！読んでいただきありがとうございます。褒めてもらえてうれしいです！ありがたきハピネスです！！葉山先生より少し色がある、っていうのグッときました。先生側の話もお楽しみに！ (2019年7月1日 8時) (
レス) id: c7b4c0e1dc (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - 7ohさんこんばんは！いっきに読んでしまいました。翔くんの歳下なのに潤の扱い方とかチャラい外見とか、私の好きな要素がつまっててありがとうの世界です！潤は、葉山先生より少し色がある感じ…翔く素敵です。いいです。別バージョン楽しみに待ってます (2019年7月1日 2時) (レス) id: 93fa30b886 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：7oh
| 作成日時：2019年6月30日 21時
