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「僕の容疑は晴れたかな」
「容疑って…でもまぁ、うん」
困ったように笑う先生に少し申し訳ない気持ちになる。でもそれより安心つーか、ともすれば己の脳味噌が飛び散らずに済んだことにホッとしていた。大袈裟な話じゃなく今日が最後になってたら俺、もしかしたら死んでたかもしんない。
そうなってくると、さっきの先生の言葉が気になるわけで。俺の知らない期間の先生の想いとやら。ずっと知ってた、ということ。
「俺の事ずっと知ってたっていうのは？」
「ふふ、引っ掛かってたか」
「そりゃだって、ずっととか言われたら気になるじゃん」
「最初はいつだったかな。君は自覚があったかもしれないけど先生方の間で有名人だったんだよ。僕も何度か廊下で見かけては、この子か、なんて思ったりしていた」
確かに俺は有名人だった。校内で一番明るい茶髪、耳にはピアス。あとたまにカラコンもしてた。シャツのボタンは2、3個開けてたしズボンは腰で履いてた。
茶髪もピアスも校則で禁じられてるわけでもないのに周りが揃いも揃っておにぎりみたいに白黒の生徒ばっかりだったから、はっきり言って俺は浮いてた。
先生に注意されるのも不良扱いされんのも面倒だったから文句言わせないように成績は常に上位をキープしていたのが、有名人と言われていた所以だ。
「君が一年生の冬だったかな？たまたま昼休みに図書室へ行った時、真剣に本を読んでいる姿を見かけたのは。なんだかミスマッチなその光景に見入ってしまった」
「ミスマッチて。まぁでも、そうだろうね」
明らかに図書室に入り浸るような見た目ではなかったわけで。そして進学校だからって、勉強するのが目的だって生徒が多いからって、揃いも揃って読書家かといえばそれもまた違うわけで。
つまるところうちの高校の図書室は割と、いつ行っても閑散としていた。そんな中にポツンと俺みたいなのが座ってたのが、目に付いたんだろうなと思う。
「それから頻繁に用事を見付けては図書室に足を運んで、二宮君ともよく顔を合わせるようになった。彼と君が話しているのを見かけたりもしたよ」
「だからニノの事も知ってんの」
「そう。彼は本よりゲームの方が好きみたいだったから君ほど話が盛り上がらなかったけど」
あくまでニノとは図書委員と、一教師でしかなかったとでも言うように。親しくはあったけれど俺との距離感とは違うよ、と言うように。でも少し話が盛り上がらなかった事に対しては残念そうに、そう言った。
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7oh(プロフ) - 薫さん、おはようございます！読んでいただきありがとうございます。褒めてもらえてうれしいです！ありがたきハピネスです！！葉山先生より少し色がある、っていうのグッときました。先生側の話もお楽しみに！ (2019年7月1日 8時) (
レス) id: c7b4c0e1dc (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - 7ohさんこんばんは！いっきに読んでしまいました。翔くんの歳下なのに潤の扱い方とかチャラい外見とか、私の好きな要素がつまっててありがとうの世界です！潤は、葉山先生より少し色がある感じ…翔く素敵です。いいです。別バージョン楽しみに待ってます (2019年7月1日 2時) (レス) id: 93fa30b886 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：7oh
| 作成日時：2019年6月30日 21時
