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せっかく温まったのにすっかり冷え切ったのでパジャマに着替えた。
あと一歩遅かったらこんな明るいところで全裸曝け出すところだった。
安堵の溜息をついてドアノブに手をかける。
…あんな我儘なこと言って内心では呆れてたりしないかな。
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怒られるのはまだいいけど、呆れられたら…
開けたドアがいつもより重く感じたのは気のせいか。
リビングのソファーに座っている涼介の後ろ姿が見える。
ドアの開け閉めの音に気づいた涼介が振り返った。
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立ち上がった涼介が横を通り過ぎた。
怒られる方がいいって思ってたけど、いざそんな場面に直面したら、結構堪えるな…
どうするのが正解かわからずボーッと立ち尽くしていると、戻ってきた涼介が私の手を取った。
そのまま床に座るように促される。
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カチ、と音がしたと思ったら風が送られる音が耳を覆う。
涼介「ねえ、聞こえる?」
A「ん…」
ドライヤーの温風と髪に触れる涼介の指差しが頰に時折当たってやけに緊張する。
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涼介「Aに言われて気が付いたんだけど、言ってなかったことあったなあ…って。」
ドク、と心臓が煩い。
何か、私にとってよくないことでも言われるんじゃないかと無駄に心臓が忙しく動く。
ドライヤーの風のせいで涼介の声がいつもより遠く聞こえる。
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涼介「仕事辞めて、母さんの会社継ぐことにした。」
A「…。」
凄いね、って言うべきなのか、そうなんだ、って言うべきなのか。
なんて声をかけるのが正解かわからないまま、濡れた髪がだんだんと乾いていく。
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でもだったらどうして…そんな大事なこと、事後報告なの?
そりゃあ私には関係ないしなにも役に立たないかもしれないけど。
いちばん近くにいたはずなのに、私には一言もなしに決めていたなんて。
私は一体、涼介のなんなのだろう。
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A「どうして…」
涼介「めちゃくちゃ嫌いだった。」
引っ張られたコードによってプラグが抜かれる。
完全に乾いた髪に涼介の指が絡んだ。
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(名前)ほのか(プロフ) - 何回も読んでしまいました!!続編を読みたいです!続きを書いてもらえたら嬉しいです!! (2018年9月10日 7時) (レス) id: 05b75f334f (このIDを非表示/違反報告)
rooose - すごく面白くて何回も何回も最初から読み直してます(T_T)!番外編など続きが読みたいです(T_T) (2018年6月10日 9時) (レス) id: 27a91521b6 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - 毎日毎日帰ってきて読むのが楽しみで仕方がなかったです!嫌なことがあっても、この作品を読んでいつもキュンキュンしていて、嫌なことも忘れていました!本当にありがとうございま (2018年4月23日 21時) (レス) id: f7957228ff (このIDを非表示/違反報告)
山田華怜 - すごく面白かったです!! 3日で全部読みました(笑) できれば続編作ってほしいですっ (2018年4月3日 13時) (レス) id: 64fbe7ebd3 (このIDを非表示/違反報告)
のん - できればの話なんですか、式の事とか、新婚生活の話などを読みたいです!続編希望します!! (2018年3月29日 21時) (レス) id: 3788a9712e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2018年3月11日 10時