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コードをテキパキと纏めて用済みのドライヤーをソファーの上に置いた。
涼介「そんなこと言っても、実の親だから切っても切れないことはわかってたけど。」
終わったよ、と軽く肩が叩かれた。
さら、とシャンプーの香りを纏った髪。
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涼介「あれ読めこれ読めって面白くない本いっぱい渡してくるし、勉強しろってうるさいし。
お前は後継ぎだってくどいし。挙げ句の果てに出てけって言われるし。」
出て行けと言われたって、お母さんだって、きっと本当は口先だけのはずで。
まさかほんとにアパートにひとり暮らしするなんて誰も思っていなかっただろうに。
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涼介「別にいてもいなくても生きていけるし関係ないだろって思ってたんだけどね。」
数メートル先に置いてあるヒーターが点滅している。
いつから付けっ放しだったんだろう。
そういえば、外から雨の音が聞こえない。
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涼介「Aに本当にそれでいいの?って言われたときは俺はいいよって思ったんだけど、Aは嫌だったんでしょ?
まあ確かに嫌だよね。姑と息子が超仲悪いとか。」
後ろに座っている涼介の笑った声。
そんな、まさか…
A「…私の、ため…?」
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涼介「いや、まあ…そう、言われればそうなんだけど。」
A「ごめん…それなのに勝手なこと言って…」
そんなこと考えてくれていたなんて全然気づかなかった。
涼介はなにも考えてくれていないと思ってた。
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涼介「いずれそうなるだろうとは思ってたし。決断できたのはAがいたからだよ。」
私は別になにもしてない。
ただ勝手に不安になって、無駄に涼介を傷つけただけだよ。
涼介「A、こっち向いて。」
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見せられる顔なんてない、と首を横に振ったけど耳を覆うような大きな両手で頰が挟まれた。
そんなに見られたら困ってしまう。
A「…っ、」
涼介「泣いてほしくて言ったんじゃないんだけど。」
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嬉しくて涙目なのか恥ずかしさで涙目なのかもうわからないくらい頭の中は混乱してる。
A「だって、」
涼介「でもひとつだけAの言ってる意味がわからない。」
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(名前)ほのか(プロフ) - 何回も読んでしまいました!!続編を読みたいです!続きを書いてもらえたら嬉しいです!! (2018年9月10日 7時) (レス) id: 05b75f334f (このIDを非表示/違反報告)
rooose - すごく面白くて何回も何回も最初から読み直してます(T_T)!番外編など続きが読みたいです(T_T) (2018年6月10日 9時) (レス) id: 27a91521b6 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - 毎日毎日帰ってきて読むのが楽しみで仕方がなかったです!嫌なことがあっても、この作品を読んでいつもキュンキュンしていて、嫌なことも忘れていました!本当にありがとうございま (2018年4月23日 21時) (レス) id: f7957228ff (このIDを非表示/違反報告)
山田華怜 - すごく面白かったです!! 3日で全部読みました(笑) できれば続編作ってほしいですっ (2018年4月3日 13時) (レス) id: 64fbe7ebd3 (このIDを非表示/違反報告)
のん - できればの話なんですか、式の事とか、新婚生活の話などを読みたいです!続編希望します!! (2018年3月29日 21時) (レス) id: 3788a9712e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2018年3月11日 10時