〈 04 〉 ページ24
*04*
「「いただきますっ」」
降谷さん特製の、ふわとろオムライス…。
「美味しい…!」
「うん、よく出来てるな。」
1番最初にここへ来た時、食べたのもこのオムライスだった。
色んな感情を溜め込んでいたあの時は、
その味の温かさに感極まって泣いちゃったな…
あの時と変わらず、温かくてやさしい味がする。
「そういえば、A。」
半分ほど食べ終えた所で、降谷さんは食べる手を止めた。
「もう時期ここへ来て1ヶ月になるが…」
「…!!」
1ヶ月。
そのワードを耳にして、私は大事なことを忘れてしまっていた事に気がついた。
" まずは1ヶ月、様子を見させてもらうよ "
「1ヶ月様子見するという話だったが…」
謂わば契約切れだ…
私もいい加減、降谷さんの世話になりすぎているし。
「訳あって持ち越しになりそうだ。」
「……え?」
持ち越し…
「もう暫くは僕の下で預かる、という事だ。」
「…あ、はい!」
と、言うことは
私はまだ、出て行かなくて良いんだ…
ちょっとだけ、ホッとした。
って、おいおい。
そこホッとする所じゃないでしょ私。
1人で生活するのが難しいってお医者さんに言われて、私ここに居るんだから…
ただの居候じゃなくて、
あくまで"保護"されているんだからね…
「……」
「それからもう1つ、」
「?」
「これは僕からの提案でもあるんだが…」
「は、はい」
何だろう…降谷さんの提案。
「高校に通わないか?」
えっ…?
「………あ「通信制の、高校に。」
……あ、あぁ…
通信…そうですよね。
「安室さんの従妹」にもその設定ありましたね…
「今後の事を考えると、高校の卒業認定はあるに越した事はない。大学に行ったり、君の将来の幅が広がるからな。」
「大学…」
まだ何にも考えていないんだけどな…
まぁ、1ヶ月何もする事がなかったし、
夢を見つけに行く分には良いかもしれない。
「はい。」
「それは提案に乗ったという意味か?」
「乗りました。」
今からでも遅くないなら…
高校に通って、勉強して、
令くんみたいに私も、自分の夢を…
「後日資料を取り寄せておくよ。」
「はい、ありがとうございます。」
また、私の日常に変化が見えそうだ。
「……」
……高校、か。
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juno108(プロフ) - とっても面白いです!続きがすごく気になります! (2020年5月20日 13時) (レス) id: 73960369a7 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 70b86fd223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴこ | 作成日時:2019年1月13日 2時