202_奪う(宮地side) ページ10
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「ありがとうございます。」
「はいよ。」
真冬の夜道、女1人で歩くのは危険だ。
俺だって男だ。
一応、それなりのマナーはある。
「にしても賑わってんなぁ、あんたの母ちゃんの店は。」
「……」
……え"、また無言?
「んじゃあ、まぁ…そゆことで。」
別れの挨拶的なやつ。
「じゃあな」とか「またな」とか色々あるが…
今日のようにどっかで偶然鉢合わせない限りは、会うことは無いだろうし。
「_____好きなの?」
「へ?」
駅へ向かおうと踵を返した背中に、か細い声がかかる。
「まだ、好きなの?」
「… …」
まだ、って何だよ…
てか、主語がねーんだけど……
つっても誰の事かなんて、わかってる。
「あぁ。」
「………趣味悪。」
「うるせー。」
俺が1番わかってるわ。
恋敵が多い事も、何となく察している。
「お前も、な。」
「はっ…?俊は全然悪くなんか…っ!?」
「認めた。てか、バレバレ(笑)」
「〜〜!」
諦め悪いな、お互いに。
「奪い返せよ?俺も、奪い取るから。」
「奪ったのは小林Aだけだから…俊は「あー、はいはい。」
この女の中では、あくまでAは悪者だったな。
「そういう素っぽい所?伊月にもっと見せてやれよ。」
「え?」
「そっちのが一緒にいて気まずくない。俺は。」
「……」
あ、ちょっと嬉しそう。
「…もし、」
「?」
「もしも、小林Aと…俊が、くっついたら…?」
………
「そん時はそん時。」
「……」
「祝うしかねーだろ。」
こういう事、何でいちいち俺に聞くんだよ。
「振られるまでは諦めねーけどな。」
「……本当に趣味悪い。」
2回目かいっ
「じゃっ、いい加減お前家ん中入れ。風邪引くから。」
「……また。」
おっ、「また」っつった。
「……フゥ」
帰路に着く中、
ため息まじりの白い吐息が冬の寒さを象徴している。
やっぱ、生意気な女。
……あ、そういや
バイト中にかかってきた電話、何だったんだ?
まぁ、いっか。
「腹減った…」
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(雪side)
「奪う……か。」
" 弱いんだな、お前も。"
" 一緒にいて気まずくない。俺は。 "
「なんで…っ」
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みかん(プロフ) - ぴこさん» やった〜!!楽しみです! (2022年8月25日 8時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - みかんさん» みかんさん、最後までご愛読ありがとうございました!泣 予想を裏切る展開になったかもしれませんが、楽しんで読んでいただけたのなら幸いです!その後の話は勿論書きますよ〜(〃▽〃)あと少しですが、引き続きよろしくお願いいたします! (2022年8月24日 21時) (レス) id: 232f2d02b7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 完結したー!!伊月くん!!おめでとう!最初の頃は、宮地さんとくっついて終わりかーと思ってましたが伊月君だった!!すっごく面白い話でした!二人の後の話みたいでs( (2022年8月24日 19時) (レス) @page50 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - みかんさん» 大好きだなんて、嬉しい限りです( ;∀;)誰なんですかね〜〜笑笑 予想楽しんでください!笑 (2022年8月17日 16時) (レス) @page38 id: 232f2d02b7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - ぴこさん» ありがとうございます!この作品大好きです!え?誰だろう!楽しいです! (2022年8月15日 22時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年7月18日 2時