200_繋がった ページ8
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" 少しだけ時間をください。 "
彼にはそれだけでも伝えておきたかった。
『prrr...prrr...』
「……出ない、か。」
宮地さん。
バイト中かな…?
私が逃げるように辞めちゃった、居酒屋の。
「A?」
「あ、ごめ…「宮地さん、電話出なかった?」
「う、うんっ…バイト中かな。」
「そっか。」
コーヒーの入ったカップを口につけて、流し目で私の顔を伺う俊。
現在、私達は駅の中の喫茶店に腰を下ろしている。
「……」
「……何?」
「い、いやっ…別に…」
無意識に見つめてしまっていた。
「……俺に視線の誤魔化しは効かないけど?」
「あははっ…」
大半の嘘は、俊には通用しないんだったな…
「俊と一緒にお店入るのって初めてだなぁって…」
「え?」
「……え?」
純粋に感じたことを述べたまでだった。
中学の頃は、そもそも遊んだりとか出来なかったし…
だから、こうやってお店の中で、テーブルで向かい合って座るのは初めてのはず。
「……あ、確かにそうだね。」
「……で、でしょ?」
何だったの……今の間は。
「話、変わるけどさ」
「…うん」
「虹村が一時的に帰国して来ている理由、わかる?」
「っ……」
話、変わり過ぎだよ……
「わかんないから……私…あの日…」
「…だよね。」
シュウ…
最初に出会ってから、もう何年経つんだろう。
「虹村修造には…今現在、恋人がいる。」
「……、」
うん。
何となく、察してたよ。
「その子…シュウが本当に大切にしてる子だと思うの。」
「会った事ある?」
「いや、無い……けど。」
話、聞いてたし。
「" 与謝 美麗 " って、知ってる?」
「……美麗?」
どこかで聞き覚えのあるような…
美しい響きの名前。
「舞台女優の人なんだけど。今、主演の舞台が公演中で…」
舞台…?
「与謝…美麗?」
えっ…?
あれっ…?
______________あ。
「俊!」
「え?」
「わ、私…その舞台のチケット持ってる…!」
「えぇ!?」
今この瞬間、何かと何かが繋がったような。
それに……、
「じゃあ……やっぱり…」
「うんっ…そうだよっ…」
いつの間にか、夢を見つけていたんだね。
すごいよ、
ひな。
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みかん(プロフ) - ぴこさん» やった〜!!楽しみです! (2022年8月25日 8時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - みかんさん» みかんさん、最後までご愛読ありがとうございました!泣 予想を裏切る展開になったかもしれませんが、楽しんで読んでいただけたのなら幸いです!その後の話は勿論書きますよ〜(〃▽〃)あと少しですが、引き続きよろしくお願いいたします! (2022年8月24日 21時) (レス) id: 232f2d02b7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 完結したー!!伊月くん!!おめでとう!最初の頃は、宮地さんとくっついて終わりかーと思ってましたが伊月君だった!!すっごく面白い話でした!二人の後の話みたいでs( (2022年8月24日 19時) (レス) @page50 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - みかんさん» 大好きだなんて、嬉しい限りです( ;∀;)誰なんですかね〜〜笑笑 予想楽しんでください!笑 (2022年8月17日 16時) (レス) @page38 id: 232f2d02b7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - ぴこさん» ありがとうございます!この作品大好きです!え?誰だろう!楽しいです! (2022年8月15日 22時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年7月18日 2時