恋滴の虹 -final decision-

199_昔の話、今の気持ち ページ7

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窓越しの景色が良い休憩スペース。

多くの学生は空きコマの時間ここで雑談や勉強をしたりして時間を潰している。





「…こないだは、ごめん。」

「え…？」




お互い言葉を交わすことなく席に着いて、暫しの沈黙を破ったかと思えば…


「こないだは」って…、あの日の事？




俊に、「好きだった」って言われて…

抱きしめられた、あの日。






「色々あって頭の中ごちゃごちゃしてて、冷静な判断が出来なくなってた。」

「っ…」

「Aに対しての言動、全部謝る。ごめん。」

「……、」






謝罪が聞きたかった訳じゃないの、俊。


他に聞きたい事、知りたい事、沢山あるんだよ…？






「…もう、昔の事なんでしょ？」

「……うん。」

「…わかった。」






今の俊には、雪ちゃんしかいない。






「…中学の卒業式で」

「……」

「本当は、Aに告白するつもりだった。」

「…！」





何で、今になって打ち明けるの…？






「でも、いざ告白となると、全然勇気出なかった。」

「……」

「フラれるの、薄々わかってたし。」





昔を懐かしむように、やや笑みを浮かべながらそう言う俊。


俊の中では、全部「昔の話」なんだ……




じゃあ、どうして？


どうして、俊は………






「俊、シュウと会って話したの？」

「シュウ…虹村修造の事？」

「うん。タツヤから聞いた。」





シュウと話したいって、俊から頼み込んだ事も。






「うん。氷室に連絡してもらって、それから話した。3人で。」

「……本当に…話したんだ…シュウと。」






シュウ……







「何を話したの…？」

「……専ら誰かさんの話。」

「…！」

「大方聞いたよ、虹村の口から。
アメリカで、氷室が日本に行ったその後の２人の事。」






そんな…！


じゃあ、俊も…そしてタツヤまで

私とシュウの、" 関係 " を………







「……引いた？」

「……」






何も言わない。


……そうだよね。







「……俺はさ、」

「……」

「Aと宮地さんを応援したい訳だけど」

「……」

「Aの気持ちだって、尊重したい。」

「ぇ……」






私の気持ち…？







「Aが今好きなのは、宮地さん？」





……、






「……うん。」


「……目が泳いでた。」


「…！」






敵わないな、幼なじみには。







「シュウに…」


「……」


「シュウに、会いたい。」







未練を捨てないことには、先に進めない気がする。

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