236_ 在りし日の思い出、そして... ページ44
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「ありがと...っ」
「うん」
少し上から囁く、優しい声。
俊がいつから声変わりしてたか覚えてないけど
この声、すごく落ち着いて好きなんだよなぁ...
「...っ」
て、ヤバ..涙溢れてきた...
なんか別の事考えて紛らさないと...!
見っともなさすぎて俊には絶対気づかれたくない...
「俊ってさ..っ」
「ん?(あ、泣いてるな..)」
「いっ..いつから声変わりしてたっけっ?」
「声変わり??...小6かな。」
「そっ..小6か..」
小6...
...あ!
思い出した、俊の声変わりエピソード。
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小6の時、俊は私の隣のクラスだった。
当時私は、中学受験に向けた勉強ばかりしていて...
毎日のように教材を広げていたのが今思うと鼻についたんだと思う。
いつしかクラスメイトから嫌煙されるようになり、
昼休みの時間も1人教室で過ごすことが当たり前になっていた。
『(たまには外で遊びたいな..)』
そんな時、決まって遊びに誘ってくれるのが俊だった。
...だけど、この頃俊が来ない。学校でも見当たらない。
その原因は、隣のクラスの子に聞いてすぐにわかった。
『インフルかぁ』
昨日から休んでるって言うから、今週は来ないだろうな..
『つまんないなぁ..』
そんなこんなで、いつもより退屈な1週間が過ぎ、
翌週火曜日の昼休み。
『talk..話す、walk..歩く、work『Aまたいた!』
『?』
英単語帳からその人物に視線を移すまで、声の主に見当がつかなかった。
だって、聞いたことないくらい"カッサカサ"の声だったから。
『ぇ..俊!?』
『今からバスケやるん『喉消えたの!?』
『え..消え..?』
『病院行った方がいいよ!』
『待ってA!?』
『先生〜!』
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「プッ..笑」
「え?(今度は笑った..)」
小6の私、なんちゅう被害妄想をしてんだろう。
「あの時暫く、俊の声が怖くて苦手だったんだよね笑」
「...ぇ???」
「はははっ..ほんと可愛い」
「......笑い泣きしてんじゃん。」
ホロッと溢れた滴を、彼の指が掬った。
「...っ!!」
たった一瞬触れた指の感触だけで胸が高鳴る。
今の今まで大笑いしてたのに。
「...、」
変なの。
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...今、言おう。
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「私、俊が好き。」
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みかん(プロフ) - ぴこさん» やった〜!!楽しみです! (2022年8月25日 8時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - みかんさん» みかんさん、最後までご愛読ありがとうございました!泣 予想を裏切る展開になったかもしれませんが、楽しんで読んでいただけたのなら幸いです!その後の話は勿論書きますよ〜(〃▽〃)あと少しですが、引き続きよろしくお願いいたします! (2022年8月24日 21時) (レス) id: 232f2d02b7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 完結したー!!伊月くん!!おめでとう!最初の頃は、宮地さんとくっついて終わりかーと思ってましたが伊月君だった!!すっごく面白い話でした!二人の後の話みたいでs( (2022年8月24日 19時) (レス) @page50 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - みかんさん» 大好きだなんて、嬉しい限りです( ;∀;)誰なんですかね〜〜笑笑 予想楽しんでください!笑 (2022年8月17日 16時) (レス) @page38 id: 232f2d02b7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - ぴこさん» ありがとうございます!この作品大好きです!え?誰だろう!楽しいです! (2022年8月15日 22時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年7月18日 2時