227_お詫びのジュース ページ35
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「今の今まで、忘れてて..だから______!」
話してる途中、雪ちゃんがこちらに駆け寄って来た。
そして、目の前で手の平が宙に浮いた。
あぁ、これは打たれるやつだ...
一瞬でそう判断して、反射的に目を瞑った。
「...?」
痛...くない?
「えっ..?」
彼女のその手を掴んだのは、またしても彼...
...守って、くれた?
「何すん「震えてんぞ」
!!
「これ以上、自分の手傷つけんなよ。」
「なっ..!」
本当だ...よく見ると震えてる。雪ちゃんの手。
人を殴るの、怖かったんだ...
守られたのは、私じゃなかった。
「てな訳で俺は帰るから。まだあるんだろ?
「...でも、」
「俺もお前に用はあるけど、今度でいいし。」
「!!は、はい..」
「...またな」
優しくそう言って、宮地さんは出口の方へ歩いて行った。
「お人好しなんだか思わせぶりなんだか..」
目の前で呟いたのは雪ちゃんで、その視線は遠くを歩く彼に向けていた。
「...」
雪ちゃん、ひょっとして...?
「ハァ..あの人のせいで全部どーでも良くなった。」
「え?」
あの人..って、宮地さん?
「りんごジュース好きなんだっけ?」
「えっ..うん..?」
「...ガキっぽい」
「?!?!」
訳もわからず立ち尽くしていると、
「座って、ココ。」
自動販売機がある横のベンチに誘導された。
「はい、さっき殴ろうとしたお詫び。」
「え!?そんな、いいのに..」
「黙って受け取ってよ。私こんなの飲まないし。」
「ぁ..ありがと...?」
未だに私の頭には「?」が浮かんでいる。
「なんか回りくどく言ってたけどさぁ」
「...」
「要は、酔った流れで最後までヤッたんでしょ?俊と。」
「!!...うん」
否定できる訳がなかった。
「相当ムカつくし、何なら私あの場にいたけど..」
「っ...」
「...あれは、俊が拒否んなかったのが悪いし」
「それは違..「中途半端に良い子ぶんのやめてくれる?」
「あんたのそういう所が嫌い」と、彼女は続けて言う。
「俊があんたしか見てないの知ってるから、昔も今も。
好きな子に誘われて、拒否れる男なんていないでしょ..」
「...恨む?私の事。」
そう尋ねると、暫しの沈黙が続いた。
そして、
「私は...」
返ってきたのは、意外な言葉だった。
「小林A が憧れだった。」
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みかん(プロフ) - ぴこさん» やった〜!!楽しみです! (2022年8月25日 8時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - みかんさん» みかんさん、最後までご愛読ありがとうございました!泣 予想を裏切る展開になったかもしれませんが、楽しんで読んでいただけたのなら幸いです!その後の話は勿論書きますよ〜(〃▽〃)あと少しですが、引き続きよろしくお願いいたします! (2022年8月24日 21時) (レス) id: 232f2d02b7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 完結したー!!伊月くん!!おめでとう!最初の頃は、宮地さんとくっついて終わりかーと思ってましたが伊月君だった!!すっごく面白い話でした!二人の後の話みたいでs( (2022年8月24日 19時) (レス) @page50 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - みかんさん» 大好きだなんて、嬉しい限りです( ;∀;)誰なんですかね〜〜笑笑 予想楽しんでください!笑 (2022年8月17日 16時) (レス) @page38 id: 232f2d02b7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - ぴこさん» ありがとうございます!この作品大好きです!え?誰だろう!楽しいです! (2022年8月15日 22時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年7月18日 2時