ツンデレ愛妻家【黛千尋】

#36 労わる** ページ37

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「んっ、美味しい！」







自分の手料理を頬張る嫁の姿はいつにも増して愛おしい。







「私、千尋さんのお粥大好きです。風邪の日にしか食べられないけど..笑」

「熱、引いた？」

「はい！おかげさまですっかり元気です。」

「そ。」







嫁が元気である事が何よりだ。







「今日は何から何まで任せっきりですみません、」

「別に、夫として当然だろ。」

「(キュンッ...♡)」







それより俺は病み上がりの嫁から放たれる独特の色気の方が気になる。








色気、色気と言えば






『ナース服って、どのコスプレより色気あると思うんすよねー』





て、塩下が酒の席で言ってたな...





あのヤロ...嫁のナース姿堪能しやがったな、クソ



１度しばいとくか。








「洗い物、しとくから」

「ありがとうございます！」







俺が食器類を片している間、嫁は穏やかな顔でテレビを見ていた。








『今月オープンしたばかりの子どもふれあいカーニバルでは、連日多くの家族連れのお客様が、＿＿＿＿＿＿』




「あっ、ここ知ってる..」


「ん？」







一足遅れてそこに目をやると、もう次のニュースに切り替わっていた。







「いえ、何も！」


「？」







すると、嫁は








「ね、千尋さん」








紛らわすように言った。








「今日一日働いてくれたお礼がしたいです。
肩揉みましょうか？足ツボもできますよ！」









お礼て...





「良いよ、たかが１日」


「ん〜私なりに感謝の気持ちをですね..」








そう言い、頬を膨らませた嫁。







「...そんなに労わりたいのかよ？」

「はい！この通り身体も元気ですし！」







本当、いくつになっても俺はこの顔に勝てない。









「めいっぱい、愛されようか」








そしてそれは、









「それじゃ..私のご褒美になっちゃいます」









嫁(コイツ)も一緒。









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「ﾊｧ..」







薄明かりの寝室で、一糸纏わぬ華奢な身体。


この世界で俺以外誰も知らない、嫁の姿。







「ｱｯ..」







その全身を、時間をかけてたっぷり愛す。


落とし所なく、丁寧に。








「..私からも..」

「..じゃ、追加で」








こういう事に決して慣れてはいない嫁。


いつも思う。無理すんなよ、と。









「ﾝｯ..」









だが、その健気な姿を眺めるのは


俺にとって至福の一時だった。

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