ツンデレ愛妻家【黛千尋】

#11 ２日目のカレー ページ12

〜黛家にて〜





「＿＿＿かくかくしかじか、涼しい顔をしつつも勘の良い後輩に奥さんの存在がバレないかと心配になるあまり、
あくまで奥さんのお迎えという体で病院へ様子見に行くと、案の定俺という変な虫に付かれていて、会話も遮る勢いで車から飛び出してきた…という訳ですね。」



「説明ご苦労塩下。」





……節々にある突っ込み所はオールスルーとして。





「俺も冗談のつもりが、まさか本当に奥さんが看護師さんだったなんて！はははっ！」





はははっ！じゃねーよお前の勘鋭すぎて普通に怖いわ。






「それにしても優しい奥さんですねぇ〜自分の旦那の同僚といえ、偶然会ったそれも初対面の俺なんかに夕飯をご馳走して下さるなんて！」





そーだよ、一生分の感謝をしろよ。

同僚家に入れたのお前が初めてだからな。






「でも思ったより若くて驚きましたよ！黛さん好きそうだな〜とは思いましたがね(笑)」





否、それほどだぞ？

お前と１個しか歳変わんねーよ？






「何て言うか、可愛らしくて癒されますよね！何より優しさが滲み出てる……良いなぁ既婚者！勝ち組じゃないですか黛さん！」





……そこまで褒める？






「俺の実家、電話でうるさくってて…早く結婚して孫の顔見せろって、心配しすぎですよね？25って、まだ焦るような歳でもないのになぁ。」





………うん、もう黙ろうか。







そんな、１年後輩のややマシンガンなトークに呆れていると







「お待たせしました〜。昨日の残りですが、塩下さんのお口に合えばと。」


「わぁっ、人妻が作るカレーだぁ！！」


「言い方。」






いつもより一皿多く嫁が食卓に置いたのは、


昨日と同様、カレーだ。







「カレー。２日目ですか？」


「はいっ！２日目だから、より美味しくなっているはずです！」


「(あれっ…？昨日の昼も確かカレーだったような…黛さん)」


「……お前それどういう顔だよ。」







細かい事は良いんだよ。



カレーは２日目が一番美味いって言うだろ。




それに、



３食これでも飽きねーほど



美味いだよ、嫁のカレーは。

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