【名探偵コナン】ラプソディー3【警察学校組】

優しい矛盾 ページ19

『助けてくれたんですか？』


べ「さぁ、どうでしょうね？」



今通り過ぎて行った男たちは組織の末端、この周辺は組織の縄張りで無意識にウロウロしている貴女を怪しい奴だと思い始末しようとしたってところね、とシャロンは淡々と説明をする



べ「たとえ私に助けられたとしても表で奴らと鉢合わせすれば水の泡……」


助けたことにならないわ、とベルモットはあざ笑うようにAを見つめた



『……………』


それなら、さっきベルモットが腕を掴んだ行為は何だったのだろう？



そのままにしておけばベルモット的にも存在を気づかれないまま過ごせたのでは、とAは彼女の矛盾に眉をひそめる。



酷く冷静になっている自分にもびっくりだが先ほどから生臭い鉄のニオイが鼻をかすめる




『………怪我してます？』


べ「…………」



肯定も否定もしないベルモットにAは肯定だと勘ぐり彼女の身体を見る。



『！！！？酷い怪我してるじゃないですか！！』


ベルモットの脇腹から広範囲で血が滲んでいると知りAは早く手当てしないと！と焦り出す、




べ「No problem…(心配ないわ…)

かすり傷よ、こんなの………」


『ダメですよ！大切な身体なんですから！』


もっと自分を大事にしてください！とまっすぐ見つめるAの瞳にベルモットは目を見開く




べ「大切にしていいのかしら……？」


『………え？』



真剣に説得するAにベルモットは目を細め、己を大切にしていいのかしら？と問いかける。



ベ「一生懸命生きても不幸の連続で、悪事に手を染めた人間が自分を大切にしたところで罰は当たらないかしら？」


最初にシャロンに会ったときのように彼女は苦しく悲しい表情で笑う。



『私は数年前まで神様の存在信じてなかったです』


ベ「……………」


『必死に藻掻いて笑って生きても周りの幸せが妬ましく思うばかりで自分は不幸だって思ってました』


ポツリポツリと言葉を並べるAにベルモットはただ黙って聞いていた

成功したのはその人の努力→←好奇心もほどほどに

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