FILE.304 業火の向日葵 ページ29
松田に手を引かれながら上昇していくにつれ、上の方は太陽の光が差し込んでキラキラと輝いていた。
水面から顔を出すと、空気が体内に入ってきてゲホッゲホッと咳き込む。
「大丈夫か！？」
『・・・うん、大丈夫』
「そうか・・・」
松田の表情が和らいでいき、湖面に浮かぶ＜ひまわり＞のケースに右腕を乗せると「黒羽刑事と松田刑事だ！」と声がした。
「こっちだこっちー！」
「黒羽刑事〜！松田刑事〜！」
振り向くと、対岸でコナンくん達が手を振っているのが見えた。班長や目暮警部達も駆け付けてきたのか、心配そうに見つめてくる。
『皆〜！』
「＜ひまわり＞も俺達も無事だ！」
「ホントか！？」
「よくやったぞ！流石、わしが見込んだ彼奴らじゃ！」
皆に無事を伝えると、こども達は両手をあげて喜び、園子ちゃんは蘭ちゃんに抱きついた。ホッとする鈴木相談役と中森警部の横で、班長は救急隊員達に指示を出している。そして隊員が湖に飛び込み、わたし達は＜ひまわり＞とともに無事救助された。
その後、広場に戻ってきてタオルを肩に掛けられ、飲み物を渡された。救急車のバッグドアに腰を掛けると、救急隊員から健康状態について聞かれたが、特に問題はなかった。隊員が別の場所へ駆けていくのを見届けてから、周囲に目をやる。
辺りは警察や救急車、観覧者、マスコミで騒然としていた。渡された飲み物を飲みながら一息つくと、「無事でよかったぜ」と頭上から声がした。
顔を上げると、救急隊員に変装したキッドが笑っていた。
『か、快斗！』
「まさか、あんなことを言い出すとは思わなかったけどよォ」
『ゴメンゴメン。あれしか方法が思い浮かばなくてさ・・・・でも約束は果たしたよ』
「ん？」
『ちゃんと生きて戻ってきたでしょ？』
二ヒヒと笑うと「ったくよォ・・・」と呆れた目をされた。
「で？体調は？」
『それは大丈夫。特に何ともないから』
「そっか・・・」と快斗はホッとして胸をなでおろした。
一口飲み物を飲むと、ふと思い出したことがあり『そういえばさぁ』と口にする。
『何で初めから犯人を知ってたの？』
「音声メッセージで依頼があったんだよ。2枚目と5枚目の＜ひまわり＞を盗んで欲しいってな」
『なるほどね。声聞くだけで、それが一体誰なのかわかったんだ。だったらそうと、あの時教えてくれてもよかったのに』
「あの時？」
『ホラ、飛行機から2枚目を盗んだ日の夜に電話したでしょ？』
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セカイ(プロフ) - ちゃごいずごっどさん» コメントありがとうございます！更新がんばります！ (2月7日 21時) (
レス) @page46 id: 220b9e6626 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃごいずごっど - 本当にとても素敵な作品でどんどん読み進めてました😭😭終始幸せな気持ちでいられます、、！！これからも無理のない範囲で更新頑張って下さい！！応援しています✨✨ (2月4日 20時) (レス) id: 9d6e955330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セカイ | 作成日時：2024年1月17日 0時
