捜査一課の黒羽さん 3【名探偵コナン】

FILE.88　ハロウィンの花嫁 ページ7

―――夕方


言われた通りに待っていると、目の前に一台の車が停まった。中から2人の公安刑事が降りてくる。


「車に乗って下さい」

言われるがまま乗り込むと、いきなり目隠しをされた。これから向かうところは知られたくない秘密の場所なのだろうか。


どこに向かっているのかさっぱりわからないが、その場所に誰がいるのかは予想ができる。






停車するとシートベルトを外されて車から降りる。

目隠しをされているから、どこを進んでいけばいいのかわからない。手首を掴まれたまま歩いていく。倉庫のような広い場所なのか、硬い床を進むたびにコツコツと足音が響く。





しばらくすると、手首をひかれる感覚がなくなった。


「連れてきました・・・・・はい、お願いします」

誰かと話す声が聞こえると、電子音が鳴り途端に足元が沈んだ。エレベーターの中・・・？





長い間エレベーターに乗っていたような感覚がする。やっと止まったかと思うと背後から目隠しが取られた。いきなり視界が明るくなり思わず目をつむる。


目を開くとエレベーターの先は広い部屋になっていた。正面に2本の柱、その先にガラスで仕切られた空間がある。ガラスの向こうに人が座っているのが見える。


やっぱりそうか・・・・・

ニヤリと笑うと柱にかかった電話が鳴った。エレベーターを出て受話器を手にした。





『こんなところに連れてきて一体どういうつもり？







―――降谷』

＜やっぱりわかっていたか。でも、それに答えるにはあと一人キャストが足りない＞

『え？』

＜もうしばらくでこちらに来る。そうしたら教えてあげるさ。連れてきたワケを＞

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