【レトルト】女装男子系実況者【男主】 (ページ46)

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「絶対許さないから！」

結局、まともに撮れたのは最初の3枚だけで、残り3枚は恥ずかしくて見れないものとなった。
(まともな方の3枚目もキスしてるから見るのは恥ずかしいけどね)

今はAに連れられ、Aの働いている喫茶店に向かっている。
狭い路地裏をいくつかくぐり抜け、迷路のような道を進んだ所にその店は建っていた。

真ん中に噴水がある広場、様々な木々や花が植えられたそこは、とても都心にあるとは思えない。
洋風な見た目、木で出来た扉を開ければ、からんころんと鐘の音が鳴る。

「お帰りなさいませ。…あら、A様」

「こんばんはメアリー」

「今日は私用で？」

「うん、そのつもり。後1人、新しい子連れてきたから」

出迎えてくれたのは金色の髪に青い瞳の、白人女性だった。
メアリーと呼ばれた彼女は、クラシックスタイルのロングスカートに、黒に近い灰色のエプロンを身につけていた。

…すっごい綺麗な人やな……

「ご主人様、お名前を」

「えっ、あ、ああ…月島玲護…です」

「かしこまりましたわ玲護様。貴方がA様が仰られていた…」

「メアリー」

「ふふ、失礼しました。ではお席まで案内いたします」

何かを言いかけたメアリーさんはAに止められ、意味深な笑みを浮かべてから俺達を席へ案内する。
内装も、西洋風だ。クラシック音楽がかかる店内には、何人かの客の姿が目に入る。
珈琲と、ケーキだろうか、甘い匂いがほんのりと香るこの店に、俺は早々に惹かれていた。

席に着き、今日のおすすめの珈琲と紅茶の説明を一通り受けてから、メニューを見て注文を決める。
俺はおすすめの紅茶と季節のケーキを選択し、Aはアッサムのロイヤルミルクティーと苺のタルトを選択した。
注文をメアリーさんに告げ、いなくなったのを確認してから俺はAに話しかけた。

「アンタ…こんなとこで働いてるん？」

「うんそーだよ」

「……想像出来ない…」

「ええー、酷くない？」

「酷くない。
…あと、メアリーさん、最初何言いかけてたの？Aが止めてたけど…」

「………気にしないでいーよ」

「はあ？き、気になるよそれ、余計に」

「いいの！アレはいいの！気にすんなし！」

珍しく慌てた様子のAに、先程の言いかけの言葉が更に気になってくる。
ううん、いっそのこと次にメアリーさんが来たら聞いてしまおうか、俺が。