【レトルト】女装男子系実況者【男主】 (ページ45)

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「ほらほらあ、はよせいはよせい」

既に俺の肩に両腕を回したAは、催促するようにぐっと顔を近付けてくる。
俺はおずおずとAの腰に手を回す。

「あははっ、顔真っ赤」

「だ、誰の所為だと…！」

「んんー、俺の所為かな？」

プリクラ内では俺以外にいないからなのか、一人称が戻ったAがいたずらっぽく笑う。

「ほら、玲護、顔カメラに向けないと」

「う、ううう…」

恥ずかしい！恥ずかしいし、心臓のドキドキが止まらないんやけど…！
俺の心臓の動きが通じているのか、アイツはくすくすと笑ってばかりだ。それがまた羞恥心を誘う。

なんとかして二枚目を撮り終わる。次のポーズは…………

「わお、玲護ちゅーだってちゅー」

「！？！？！」

この体制のままキスとかいうのを進めてきたこのプリクラを俺は絶対に許さない。

「そっそっそれだけは無理！無理やって！！！」

「ええ、できっしょ。キスしてるし」

「アレはそっちが不意打ちで…！」

「直ぐ終わるから、ね？お願い！」

潤んだ瞳で見つめられれば、言葉が詰まる。
うぐ、俺が押しに弱いのを知っててこれだ！本当にA嫌い！！！

「……ちょっとだけだからな！」

なんだかんだここで許してしまう俺はコイツを好いているのかもしれない。
前だったら逃げてただろうし。

アイツは嬉しそうに笑みを浮かべて、目を閉じた。
これ俺からしろってことですか……マジ…？

「ほら、玲護はやくー」

「わ、わかったからっ！！！」

カウントぎりぎりまで待つ。
1ギリギリのところで、目を瞑るAの薄い唇にキスをした。

ぱしゃり

音が鳴り、俺は離れられると思って離そうと顔を動かし…たかった。
その頃には既にAに頭を固定されており、離す事が出来なかったのだ。

「んっ…？！ん、んんっ！！」

「…ちょっとだけ、ね？」

ほんの少しだけ口を離したAがそう俺に囁けば、再度唇を塞がれる。
俺が開きかけていた唇の隙間からアイツの舌が滑り込んできて、一瞬で自分の舌を絡めとられる。

「んむっ、う…ふ…っ！」

「んー…」

熱い舌の柔らかい感覚と、不自然な硬いピアスの感覚。
咥内を隅々まで擽られ、口を離された頃には俺は立っているのがやっとだった。

「ふう、ゴチソーサマ」

「お、おまっ、お前っ、な、なにして…」

「んん？キスだよキースー。ディープなやつ」

「俺そこまで許可してないやろ？！」

「玲護が可愛くて我慢出来なかったんだよ、俺の可愛さに免じて許して？」