【レトルト】女装男子系実況者【男主】 (ページ18)

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「いうより…？」

「もはや兄弟みたいな感じなんだよねー」

「兄弟……そういえば、アブさんとAって、いつからの付き合いなんですか？」

俺が地味に気になっていた事を聞けば、ああそれ？と笑いながらアブさんは答えてくれた。

「俺が小学生の時くらいからかなー、家隣でさ。
親が仲良くて、それで俺らも仲良くなった感じ」

「そ、その頃からこんな感じだったんですか？」

「まっさか～、変態なのは変わらないけどあの頃は女の子にしか見えない男の子だったよ」

「やっぱ元が女の子に見えるんですね、あいつ…」

「じゃなきゃあんな完璧な女装出来ないでしょ」

ふふ、と笑みを零すアブさんに、そうですね…と控えめに返す。
しかし、２人は凄く長い付き合いなんやな。成人しても家が隣同士とか。
テレビの画面に目を向けるも、なんだか緊張して頭に入ってこない。
隣のアブさんはバラエティ番組を見て笑っている。Aの家に慣れている、からかな…
しばらくそわそわしていれば、Aの声が聞こえた。どうやら料理が出来たみたいだ。
俺は席を立つとキッチンへと向かう。

「あれ、一真じゃなくて玲護がきた」

「やっぱり、座ってるだけじゃ落ち着かなくて…」

「俺だったら遠慮なくくつろぐけど…お人好しだなーあんた」

言いながら料理の皿を手渡される。
そこには美味しそうなローストビーフが盛りつけられていた。
思わず凝視していれば、Aが笑いながら言う。

「なーにー？俺の料理が凄くて驚いてる？？けけっ、美味そうでしょ！ほら持っていって！」

「うん、すっごく美味そう…持ってく」

「おーおー食べてからもその言葉が聞けるといいけどー」

俺に背を向けたAを横目に見つつ料理をテレビの前にあるテーブルとはまた別のテーブルに
料理の乗った大皿を置く。
すると、アブさんが寄ってきて料理に視線を落とした。

「ん、赤ワインに合いそう」

「ワイン、って…どんな奴なんですか？」

「ああ、これこれー」

見せてくれたワインに書かれた銘柄は…シャトー・マルゴー。
あれこれ値段結構するやつ…

「レトルトくんも飲む？」

「いっいや！俺はポケモンのシャンメリーで十分…！」

「そう？」

美味しいのにな～、そう呟くアブさんに冷や汗を流す。
そんな高いワイン飲めんよ……

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